研究課題/領域番号 |
05555228
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
南 茂夫 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (60028959)
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研究分担者 |
高木 俊夫 大阪大学, 蛋白研究所, 教授 (00029943)
長村 俊彦 株式会社, ユニソク, 研究者
川田 善正 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70221900)
河田 聡 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30144439)
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キーワード | ニアフィールド / 走査顕微鏡 / エバネッセント場 / 散乱 / ロックイン / 金属ロープ |
研究概要 |
試作した金属針を用いてニアフィールド走査光学顕微システムを生体試料に応用した。生体試料としてラットの胎児の心筋細胞を観察した際、STM像では観察できなかった微小器官内の構造を、ニアフィールド光学像では屈折率変化として観察できることを示した。さらに、ニアフィールド光学像は、試料の構造とは異なったコントラストを与えること、照明光の偏向方向に対する依存性があること、および周期構造により高次回析光の干渉縞が試料表面に局在していることを明らかにした。 透過光学系では観察できない半導体など不透明な物質への適用を行うために、金属プローブを用いた反射型ニアフィールド光学顕微システムを試作した。240nmピッチの微細周期構造を持つ半導体試料の観察を行ったところ、微細構造を有するおよそ60nm(波長1/12)の領域で、場の局在が観察された。 また、金属針ニアフィールド光学顕微鏡をモデルとして数値計算を行ったところ、金属針の先端では電場が局在しており、その電場強度は入射電場に比べて、数十倍から数百倍(先端の曲率によって変化する)となっていることが新たに分かった。このことから、提案するシステムがプローブ先端の光学情報を選択的に取り出せるという有用性が示されるだけでなく、場の増強効果を利用した非線形光学(2光子吸収、SHGなど)と組み合わせた像観察方法に有効となる可能性があると考えられる。
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