研究課題/領域番号 |
05555229
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
松永 是 東京農工大学, 工学部, 教授 (10134834)
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研究分担者 |
池田 憲司 旭電化工業(株), 研究企画部, 研究員
千葉 友幸 東京医科大学, 医学部, 講師
中村 徳幸 東京農工大学, 工学部, 講師 (20198229)
早出 広司 東京農工大学, 工学部, 助教授 (10187883)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | アレルギー / アレルゲン / IgE抗体 / 血液 / ケミカルメディエーター / バイオセンシング |
研究概要 |
近年、アレルギー患者の増加に伴い、アレルゲンの特定は診断や治療のために重要視されている。これまでにアレルギー反応の際、放出されるケミカルメディエーターのセロトニンを指標とし、電極を検出素子として用いることで、アレルゲンの電気化学的な検出が可能であることを示した。また、微小電極を用いて一定電位を印加することで、全血でのアレルゲン検出が可能であることも報告した。本年度の研究では、簡易型アレルギー診断装置システムを用いた検出について、まず従来法で求められたIgE抗体値との比較を行った。また、診断システムの実用化のための検出感度の向上を目的として、メディエーターを用いたセロトニンの電気化学的検出についても検討した。採血後の血液にアレルゲンを添加し、37℃でインキュベート後、参照極を銀/塩化銀に処理した一体型の微小電極を用いて350mVの定電位を印加することでアレルギー反応によるセロトニンの検出を行ったところ、アレルギー患者の場合は反応後に電流値の増加が確認された。しかしながら、健常者の血液を用いて同様の実験を行ったところ、電流値の増加は確認されなかった。この結果は現在、一般的に行われているアレルギーの診断法であるIgE抗体量を測定する方法の結果と、よい相関性を示すことが確認された。また、セロトニンの検出感度の向上を目的としてフェロセンモノカルボン酸(FCA)をメディエーターとして用い、サイクリックボルタンメトリーを行った。セロトニン溶液にFCAを添加することにより、酸化ピークの電流値の増加が確認された。そこで、FCAを添加し全血中のサイクリックボルタンメトリーを行ったところ、電流値の増加が同様に確認された。 以上の結果から、簡易型電気化学的エネルギー診断装置の試作と実用化のための基礎的知見が得られ、従来からの測定方法と同等の感度で検出が可能になった。
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