研究課題/領域番号 |
05555230
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山添 昇 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (40037817)
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研究分担者 |
浅野 泰一 電気化学計器株式会社, 開発部・第1グループ, 課長
玉置 純 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (10207227)
三浦 則雄 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (70128099)
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キーワード | 半導体ガスセンサ / ス-プ品質管理 / 表面修飾 / 二硫化ジメチル / 酢酸エチル |
研究概要 |
コンソメス-プから発生するにおい成分(メチルピラジン(MP)、アセトン(Ac)、カプロンアルデヒド(CA)、二硫化ジメチル(DMDS)、酢酸エチル(EA)など)を高感度、高選択的に検知する半導体ガスセンサの設計を行った。本年度は、これらのうち、DMDSおよびEAに優れた検知特性を示すセンサ材料の探索を行うとともに、上記5成分に感応するセンサを用いてス-プの総合評価を行った。 DMDSセンサについては、Fe_2O_3をベース酸化物として添加剤の探索を行った。種々の添加剤の中で、DMDS感度の増大に有効であったものは、Pr_6O_<11>、Al_2O_3などであり、特に、Pr_6O_<11>-Fe_2O_3素子では、DMDSに対して300℃で最も高い感度を示した。選択性は比較的良好で、十分実用的であると判断した。Pr_6O_<11>-Fe_2O_3の表面状態をXPSを用いて評価したところ、Fe_2O_3上に存在するPrOxのPr^<4+>/Pr^<3+>比は酸化物(Pr_6O_<11>)であるときの2より大きく、Fe_2O_3上に微分散したPr^<4+>がDMDS感度の増大に寄与していることがわかった。 EAについては、単独酸化物の中で最も高いEA感度を示したZnOをベースとして添加剤の探索を行った。種々の添加剤の中で、CaO、WO_3、MoO_3、Y_2O_3を添加したZnO素子が高い酢酸エチル感度を示した。これらの素子のアセトンに対する感度はあまり高くなく、ス-プ香り評価用としての可能性が示唆された。 Rh-WO_3(MP)、MoO_3-ZnO(Ac)、Er_2O_3-ZnO(CA)、Pr_6O_<11>-Fe_2O_3(DMDS)、WO_3-ZnO(EA)を用いてス-プサンプルの評価を行ったところ、官能評価に対応する結果が得られた。
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