研究課題/領域番号 |
05555232
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
谷口 功 熊本大学, 工学部, 教授 (90112391)
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研究分担者 |
喜納 兼男 (株)同仁化学研究所, 部長
末永 善久 熊本県農業研究センター, 農産園芸研究所, 参事
青木 和年 熊本県農業研究センター, 農産園芸研究所, 部長
山口 博子 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (60040424)
西山 勝彦 熊本大学, 工学部, 講師 (10202243)
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キーワード | 分光電気化学法 / 非破壊計測 / 円二色性 / 近赤外分光法 / 金属タンパク質 / 金属錯体 / 味覚 / センサ |
研究概要 |
本研究では、in situ分光非破壊計測法を学術的かつ実用的に発展させるため、i)新しい非破壊分光電気化学法の開発とその応用、ii)破壊計測に弱点を有する果物の味覚計測システム作製の基礎の確立などを目的としている。本年度は、これまでの2ヵ年の研究成果を基礎として研究を進めた。 1.新しい非破壊・迅速分光電気化学法の開発と応用について、 (1)近赤外領域を含めた広領域に透明な材料を用いた分光電気化学セルを作成し、ニッケル錯体および金属タンパク質を用いた近赤外領域の分光電気化学測定を行い、金属イオンの各酸化状態に対応するスペクトルを明らかにした。 (2)In situ円二色性および磁気円二食性スペクトルの測定が可能な分光電気化学セルを高性能化と測定装置の高度化によって、積算測定によるS/N比の向上およびミリ秒レベルの時間分解測定を可能にした。さらに、本方法を用いてチトクロムc,ミトグロビン,およびフェレドキシンの電子移動に伴う構造変化の測定を行った。 (3)原子レベルで制御した金電極表面およびフレームアニーリング法で作製した単結晶面を用いて、チオール系有機分子を吸着させた自己集合性単分子膜の機能について、種々の電気化学および表面分光電気化学計測手法を用いて表面構造の基礎的評価を行なった。 2.果物の非破壊計測システムの開発について、 (1)内部成分を主に液クロシステムを用いて分離検出して得た「味覚」の構成成分およびラマン及び近赤外分光法により計測した外皮成分とメロンの熟度あるいは糖度との相関性に基づく味覚評価について、全般的な計測システムの再構築を計った。 (2)代謝過程で生じる二酸化炭素や、揮発性成分のガスセンサ法による評価に基づき、簡易「食べ頃」センサの作製を試みたが現時点では満足できるラベル式モニターの作製には至っていない。
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