研究課題/領域番号 |
05555235
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
細野 秀雄 東京工業大学, 工業材料研究所, 助教授 (30157028)
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研究分担者 |
菱田 俊一 無機材質研究所, 主任研究員
西井 準治 大阪工業研究所, ガラスセラミックス部, 研究員
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キーワード | ガラス / 屈折率グレーティング / 点欠陥 / 光化学反応 |
研究概要 |
本年度の研究成果は、以下のようにまとめられる。 (1)前年度に見出した光誘起屈折率変化(LIRC)の大きい高周波スパッターリング法で作製したGeO_2-SiO_2ガラス薄膜について、紫外光照射による光吸収変化および誘起される光反応を検討した。 LIRCの原因となる5eVの吸収帯はas-deps膜では分離しないが、真空中300℃のアニールで明瞭になる。光照射で5eV帯がブリーチされて6.5eV付近に新吸収帯が誘起された。そして、このときGeE′中心が生成されることを^<73>Ge核のESR超微細構造を観測することにより明らかにした。 (2)GeO_2-SiO_2ガラスにLIRCを誘起させるのに紫外光が用いられるが、フォトンフラックスの影響をあらわに考慮した研究は皆無であった。本研究では水銀ランプとエキシマーレーザーを用い多光子過程のLIRC出現への寄与を検討した。その結果、紫外レーザーでは5eV帯のブリーチは殆ど生じずGe Electron中心が高濃度に生成し、反応途中でGe Electron中心はGeE′中心に転化することを見出した。紫外レーザ光照射では、2光子過程でバンドギャップ励起(>7.1eV)が生じ、その後の正孔-電子対の緩和過程でLIRCが誘起されることがわかった。このことは、エキシマーレーザーによるGeO_2-SiO_2ガラスファイバーの紡糸過程でのグレーティングの書き込みというプロセスへの展開を期待させる。 (3)SiO_2:AlガラスとSi注入SiO_2ガラスについてLIRCを検討した。前者については、△nは小さくないが、Al-OHCになる吸収が可視域までのびているために応用上は好ましくないとの結論とした。後者についてはGeO_2-SiO_2系と同様に5eVにバンドがあり、光照射するとVUV領域まで一様にブリーチされることが分かった。GeO_2-SiO_2系では△nは正だが、この系では負になることから新しい展開も期待される。
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