研究課題/領域番号 |
05555236
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
足立 吟也 大阪大学, 工学部, 教授 (60029080)
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研究分担者 |
坂口 裕樹 大阪大学, 工学部, 助手 (00202086)
今中 信人 大阪大学, 工学部, 助手 (30192503)
町田 憲一 大阪大学, 工学部, 助教授 (00157223)
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キーワード | 希土類気相錯体 / 金属ハライド / 気相輸送法 / 希少元素 / 乾式分離法 / 分離・回収 / 資源の有効利用 / 金属間化合物 |
研究概要 |
本研究では、希土類系金属間化合物、すなわちNd_2Fe_<14>B、Sm_2Co_<17>およびLaNi_5廃棄物から希土類を始めとする各種希少金属の分離を分別気相輸送法を用いて行ない、その回収特性を明らかにした。得られた知見は以下の通りである。 1.Nd_2Fe_<14>Bスラッジ 用いたスラッジにはDy、Co、Al等が含まれており、窒素ガスをキャリアガスとし、塩素化剤として塩素ガスを用い、さらに錯化剤として塩化アルミニウムを添加することで、化合物の主要成分及び添加物は気化し、温度勾配を設けた析出部で塩化物としてそれぞれ析出した。NdCl_3とDyCl_3は混合物として回収されたものの、残りの成分(Fe、B、Co、Al等)の塩化物はそれらとは分れて回収された。したがって、この回収法ではまず第一に希土類成分とその他の成分とで大きく分けて分離、回収されることになり、以後の処理がより単純化できることが明らかとなった。 2.Sm_2Co_<17>スラッジ このスラッジにも、Nd_2Fe_<14>Bのそれと同様に主要成分(Sm、Co)の他にFe、Co、Zr等が含まれていた。分別気相輸送法ではNd_2Fe_<14>Bと同様にすべての成分が塩化物として気化し、さらにSmとCoの成分が他の添加物とそれぞれ分かれて別々に回収できることが明らかとなった。その回収物の純度は、例えばSmCl_3で99.3%、CoCl_2で99.0%にも達し、この回収法が極めて有効であることが実証された。 3.LaNi_5廃棄物 この場合も上記の化合物スラッジと同様に、LaとNi成分が気化しそれぞれ別々に塩化物として析出した。これにより両者は簡単に分離、回収できることが示された。
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