研究課題/領域番号 |
05555239
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
池田 功 大阪大学, 工学部, 教授 (70029049)
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研究分担者 |
能勢 伸治 ダイソー株式会社, 取締役副社長, 研究員
平尾 俊一 大阪大学, 工学部, 教授 (90116088)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | アセトニル化 / アセトニリデン化 / パラジウム触媒 / π-アリル錯体 / メタラシクロブタノン / 環化付加 |
研究概要 |
アセトニル化あるいはアセトニリデン化はカルボニル基を含む単素数3個の鎖を置換することによって複数個の官能サイトをもった基を導入するものであり、また、さらに多様な誘導体化が可能であるという有機合成化学において極めて重要な反応である。同時に、医薬・農薬などの化合物において、アセトニル基あるいはアセトニリデン基の導入が薬理活性の発現あるいは向上をもたらす場合がある。このように有用かつ多様な用途をもつことからこれまでに種々の試剤が開発されている。本申請者はエピクロロヒドリンから2段階で高収率で合成し得る2-クロロメチル-3,5-ジオキサヘキセン-1(1)が、簡単な操作でかつ高収率でアセトニル化物を与えること、ならびにパラジウム触媒による[1+2]環化付加で、オレフインのアセトニリデン化が起こりシクロプロパン化合物が得られることを確認した。本研究では1の合成に用いるクロロメチルメチルエーテルが健康上好ましくない化合物であるという問題を解決し、同時に、アセタール基の脱保護反応において水を必要とせず触媒量の酸のみの添加で目的が達成できると考えられる3-クロロ-2-(2-ピラニル)オキシプロピレン(2)および3-クロロ-2-(1-アルキルオキシ)エチルオキシプロピレン(3)を合成し、そのアセトニル化ならびにアセトニリデン化反応について検討した。 さらに、化合物2及び3をアルキル炭酸エステルに誘導したものはPd(0)あるいはPt(0)との酸化的付加によってπ-アリル錯体を生成した後さらに、系中に発生するアルコキシドイオンによって脱プロトンが起こり、メタラシクロブタノンが生成することを見い出した。パラジウム錯体の場合には、これによってノルボルネンなどとの環化付加による接触アセトニリデン化も可能であり、接触的にシクロプロパン化合物を生成させることに成功した。
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