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1994 年度 実績報告書

ペプチド-金属錯体による触媒的不齊合成プメセスを利用する生理活性物質合成法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 05555245
研究機関東京理科大学

研究代表者

井上 祥平  東京理科大学, 工学部, 教授 (20010762)

キーワードペプチド / 金属錯体 / 触媒 / 不齋合成 / シアノヒドリン
研究概要

本研究は、代表者らが近年検討を行ってきた、ペプチドのアミノ基末端をフェノール性水酸基を有するシッフ塩基により修飾したものを配位子とする、ペプチド-金属錯体を触媒して用いる不齋合成プロセスに関するものであり、金属上での反応においてペプチドと金属原子の相互作用を利用することにより、不齋誘起をおこなう。このアプローチは代表者らにより独自に行われてきた、他に種例のない独創的なものである。特に、生理活性物質の立体選択的合成に用いることを目指す高度の不齋シアノヒドリン合成(アルデヒドの不齋ヒドロシアノ化)に成功したことは、酵素法を除いては知られておらず、実用化が期待される。この反応以外にも、代表者らはペプチド-金属錯体を触媒として用い、アルデヒドの不齋シリルアノ化、アリルアルコールの不齋エポキシ化、アルデヒドの不齋アルキル化において高い選択性が得られることを見いだした。また、これらの不齋誘起のメカニズムを^1H-NMR,^<13>C-NMRにより詳細に検討して、より選択的、効率的な触媒の設計について明確な指針を得ることができた。アルデヒドの不齋ヒドロシアノ化の応用として、ベータ-アルケニルアルデヒドからの不齋シアノヒドリン合成とそれに続く高立体選択的な〔3,3〕シグマトロピック・キラリテイー移動により、光学活性ガンマーシアノアリルアルコールの容易な合成に成功した。このものは数多くの天然物、生理活性物質の合成中間体として有用である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] A.Mori,S.Inoue: "Amino Acid,Peptide and Their Derivatives: Powerful Chiral Ligands for Metal Catalyzed Asymmetric Syntheses." J.Appl.Organometal.Chem.(印刷中). (1995)

  • [文献書誌] H.Ohno,S.Inoue: "Ring Opening of Epxides with Acetone Cyanohydrin Calalyzed by Lanthanoid Alkoxides." Chem.Lctt.1993. 975-978 (1993)

  • [文献書誌] H.Ohno,A.Mori,S.Inoue: "Lanthanoid(III) Alkoxides as Novel Catalysts for a Rapid Transhydrocyanation from Acetone Cyanohydrin to Aldehydes and Ketones." Chem.Lett.1993. 375-378 (1993)

  • [文献書誌] H.Abe,H.Nitta,A.Mori,S.Inoue: "A Facile Synthesis of Opucally Active γ-Cyanoallylic Alcohols Using Asymmetric Hydrocyanation of α,β-Alkenyl Aldehydes Followed by Stereospecific〔3,3〕 Sigmatropic Chirality Transfer" Chem.Lett.1992. 2443-2446 (1992)

  • [文献書誌] H.Ohno,H.Nitta,K.Tanaka,A.Mori,S.Inoue: "Peptide-Aluminum Complex as a Novel Chiral Lewis Acid.Asymmetric Addition of Cyanotrimethylsilane to Aldehydes." J.Org.Chem.57. 6778-6783 (1992)

  • [文献書誌] H.Nitta,D.Yu,M.Kudo,A.Mori,S.Inoue: "Peptide-titanium complex as catalyst for asymmetric addition of hydrogen cyanide to aldehyde." J.Am.Chem.Soc.,. 114. 7969-7975 (1992)

  • [文献書誌] 森 敦紀、井上祥平: "金属反応剤を用いる不齋化学合成" 学会出版センター, 205(8) (1993)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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