研究分担者 |
青山 拓 セイコーエプソン(株), 研究開発本部, 主任研究員
辻井 薫 花王(株), 基礎科学研究所, 主幹研究員
森 俊明 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (50262308)
江原 靖人 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (40251657)
佐藤 智典 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (00162454)
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研究概要 |
本研究は、Langmuir-Blodgett(LB)膜累積時に水晶発振子を基板に用いることにより、LB膜の累積条件やLB膜の安定性をin situで正確に評価できる装置を開発することを目的として行った。その結果,以下のような成果が得られた。 1)水晶発振子は基板上に付着した物質量に比例して振動数が低下する(1ngに対して1Hz)ことに着目し、LB膜の累積基板として用いた。振動数の経時変化からLB膜の正確な累積比、累積時の水分の取り込み量、その蒸発速度などをナノグラムレベルでモニターすることができた。これらの結果から,水晶発振子をLB膜の累積基板として用いることにより,これまで定量的な議論が困難であったLB膜累積量をモニターする装置が開発できる目途が付いた。 2)LB膜を累積した発振子を水中に保ったときの振動数の経時変化から、LB膜の安定性(水中での基板からの剥離速度や膨潤)をモニターしたところ,LB膜化合物の化学構造によっては水中で基板から剥がれることがわかった。すなわち,水晶発振子はLB膜の水中での安定性のモニターとしても有用であることが明らかとなった。 3)水晶発振子、発振回路、周波数カウンター、電源、等を組み込んだ累積装置を現在試作している。LB膜の累積や水中での安定性の測定を行ないながら、装置の改良や安定性を高め、最終的には累積装置に組み込み市販できる形まで完成させる。
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