研究課題/領域番号 |
05555267
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
姫野 洋司 大阪府立大学, 工学部, 教授 (50081394)
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研究分担者 |
児玉 良明 運輸省船舶技術研究所, 推進性能部, 抵抗研究室室長
高松 健一郎 大阪府立大学, 工学部, 助手 (10081390)
馬場 信弘 大阪府立大学, 工学部, 講師 (10198947)
平野 進 大阪府立大学, 工学部, 講師 (70081388)
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キーワード | 計算流体力学 / 最適化手法 / 船型設計 / 逆問題 / ナビエストークス方程式 / 粘性抵抗 / 感度係数 / AVS |
研究概要 |
計算流体力学と最適化手法を融合させる方法船型設計という逆問題に応用し実用化を進めるために、最適化手法の2次元問題の再検討、その3次元問題への拡張、および実用船型の形状変更関数の選定について本年度の研究を実施した。 まず2次元問題については、従来の別所の理論に基づく形状変更感度解析手法の見直しを行った。その過程で従来の理論で見落とされており、かつ理論の枠組みの中で不整合であった頃、すなわち、形状変化による抵抗への直接影響成分を理論的に抽出した。これを含めた全体の枠組みを再構築し、さらに抵抗変化への寄与成分の分布を詳細に検討することによって、感度解析手法の改良を図った。また、物体形状表現については新たにB-スプライン関数を採用し、形状変更パラメータの独立性を向上させた。これらの改良を基に、面積・長さの拘束条件付き、粘性抵抗最少を目的とする形状最適化問題に適応した結果、複数の局地解が得られることが判明した。 つぎに、3次元問題については、上記の改良手法を拡張し、定式化を行った。さらに形状関数の取り扱いについては、母船型の表現を既存の方法で行うこととし、それに加えて形状変更成分を2次元B-スプライン関数で表現することにより、全体的・部分的な形状変更操作を容昜にすることにした。本年度は、この形状変更関数の検討、3次元計算コードの開発に費やかされた。次年度は試計算の実施、実用船型適用を図ることとする。 さらに、AVSに基づく3次元グラフィック描画モジュールを開発し、計算格子の妥当性の検討などの前処理、流場計算結果の後処理の段階に適応した。 本手法は予想よりも大きなプログラムとなったため、実用船型への適用、最適形状の求解という当初の予想からは少し遅れているが、平成6年度はさらに計算の効率化を図るとともに最新の高速計算機を導入して当初の目的を達成することとしたい。
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