研究課題/領域番号 |
05555272
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岩田 光正 広島大学, 工学部, 教授 (80034346)
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研究分担者 |
黄 一 広島大学, 工学部, 助手 (20253114)
藤本 由紀夫 広島大学, 工学部, 教授 (60136140)
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キーワード | 境界要素法 / 円筒面要素 / グリーン関数 / 陰極防食 / 犠牲陽極の寿命 |
研究概要 |
石油掘削リグや港湾の桟橋などの鋼構造物は、海水による強い腐食環境下にあり、塗装の保守が困難であるため、陰極防食が施されるが、その形状が複雑であるために、経験則による防食設計が困難である。本研究では、合理的な防食設計を可能にする目的で、境界要素法による構造物表面の電位分布解析法の改良を行った。 本年度の研究とその成果を要約すると次のようになる。 (1)石油掘削リグや桟橋などの海洋構造物の多くは鋼管構造になっている。したがって、鋼管の表面を従来の平面要素で分割した場合多数の節点と膨大な計算機容量を必要とする。また、複雑な構造物では、要素分割に多大の労力を要する。そこで、円筒要素の他に円筒面をもつ三角形要素および四角形要素を開発した。これらの要素を用いることによって、鋼管構造物の要素分割を容易にするとともに、節点数を減らして計算時間を大幅に短縮した。 (2)桟橋や海底油井ジャケットなどの海洋構造物のまわりの電場は、海水だけでなく、海底土も含まれているために、2領域電場となる。海洋を無限電場で仮定すると2領域の境界を分割する必要が生じる。そこで、この境界を消去するための境界積分方程式の基本解を導いた。これによって、構造物のまわりの電場を無限とし、無限遠における電位および電流密度を0として構造物表面のみの電位分布が解析できるようにした。
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