研究概要 |
ニューラルネットワークによる離散的満足化の機能を構造物の最適設計問題に適用することを目的として,今年度はプログラムの体系化とその機能の検証とを行った。結果として得られた新たな知見は以下の通りである. 1.拡張ニューラルネットワークモデル ニューラルネットワークによる離散的最適化手法は,非線形性のある構造設計問題にも適用可能であることが望まれる.そのために,勾配力学系をベースにして,従来のホップフィールド型モデルとは異なる拡張ニューラルネットワークモデルを提案した.これにより,非線形性の高い問題に対しても適用可能なプログラムの開発が可能となった。 2.プログラム中での設計問題の記述表現 ニューラルネットワークによる離散的最適化に於いては,対象とする構造設計問題の設計変数(候補部材の諸元),目的関数,制約条件等をプログラム中でエネルギー関数に変換する必要がある.このため,ラグランジュ乗数法と昨年度に考案した写像法とを併用することで,その問題に対する解決策を導出した.これにより,汎用性の高いプログラムの開発が可能となった。 ニューラルネットワークによる最適構造設計 開発したプログラムを用いて,双胴船の中央横断面の離散的最適化とドーム形トラス構造の離散的最適化とを行った。昨年度のプロトタイプを用いた場合に比べて,最適解が高い確率で得られることを確認した。
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