研究概要 |
ニューラルネットによる離散的満足化の機能を構造物の最適設計問題に適用することを目的として,平成5年,6年の2ヶ年間にわたって研究を行った.結果として得られた知見は以下の通りである. 1.拡張ニューラルネットモデル 勾配力学系をベースにして,従来のホップフィールド型モデルとは異なる拡張ニューラルネットモデルを提案した.これにより,非線形性の高い問題に対しても適用可能なプログラムの開発が可能となった. 2.ニューロンを用いた設計変数の数値表現法 離散的設計変数をニューロンの状態を用いて数値表現する場合,安定性判別によって分散的表現法の有効性を解析的に検証した.また,不規則的な離散値をとる設計変数に対して,分散的表現法としての写像法を提案した. 勾配力学へのゆらぎ 局所解からの脱出と大域的最適解への到達を可能とするために,ニューラルネットにゆらぎを与える必要がある.確率論的ゆらぎとカオス的ゆらぎについて検討を行った結果,現時点では確率論的ゆらぎの方に優位性を認めた. 4.ニューラルネットによる最適構造設計 開発したプログラムを用いて,双胴船の中央横断面の離散的最適化とドーム型トラス構造の離散的最適化とを行い,最適解が高い確率で得られることを確認した.
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