研究課題/領域番号 |
05555276
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
藤田 豊久 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (70124617)
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研究分担者 |
西村 信三 秋田県工業技術センター応用開発室, 主任専門研究員
佐藤 博 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (00006694)
大日方 五郎 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (50111315)
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キーワード | エレクトロレオロジー流体 / ダンパー / 磁性流体 / ER磁性流体 |
研究概要 |
本年度はER流体をさらに発展させた新しいER磁性流体をも製造し、それらの振動におけるダンパー特性を測定した。 例えば、ダッシュポット式ダンパーにおいてER流体のみでは内筒のセンタリングと流体シールが必要であった。このER流体が磁性流体でもあればこの問題は解決される。 このER磁性流体を製造するために、ただ単に磁性流体とER流体を混合したのでは溶媒、粒子、界面活性剤の差異により凝集沈澱を生じ、あるいはER効果がなくなる場合がある。本研究ではまず、スメクタイトをシリコーン油に分散されたER流体と新しく開発したシリ-コーン油ベース磁性流体の混合流体、ほかに均一系ER流体として液晶を溶媒とし、マグネタイト磁性粉を分散された液晶ベース磁性流体を製造した。 ついでダンパーには内筒に永久磁石を配置させセルフセンタリング作用を得た後、内筒と外筒との間に電界を作用させて粘度を変化させる円筒ダンパーを作製し、振動特性を調査した。磁性流体を単独で用いたダンパーの振動特性は、振幅にかかわらずフォークト模型で示され、振幅倍率は高周波側でかなり低下した。しかし、共振点における振幅倍率の低下は不十分であった。スメクタイト分散型ER流体を用いた場合のダンパーの振動特性は、振幅が小であるとマクスウェル模型に近く、高周波側でも振幅倍率は1に近づいた。一方、振幅が大になると、フォークト模型に近くなり、高周波側で振幅倍率は低下した。スメクタイト混合シリコーン油ベース磁性流体をER磁性流体として用いた場合、電界の印加で共振点での振幅倍率は1に近づき、高周波側で振幅倍率が減少する傾向が観察された。また、液晶ベース磁性流体を用いたダンパーの振動特性は、電界の印加により共振点で振幅倍率がわずかに減少した。このようにER磁性流体は新たなダンパーとしての可能性を見いだした。
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