研究課題/領域番号 |
05556009
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
大西 敏夫 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (20027874)
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研究分担者 |
岡 成美 農林水産省, 農業生物資源研究所・細胞育種部, 室長
柳沢 幸男 信州大学, 繊維学部, 助教授 (70021160)
押金 健吾 信州大学, 繊維学部, 教授 (40021159)
久野 勝治 東京農工大学, 農学部, 助教授 (70092484)
本間 慎 東京農工大学, 農学部, 教授 (70014941)
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キーワード | 低温貯蔵 / カルス休眠打破 / 重金属耐性 / 微量要素 / 生殖器官 / 鱗葉抽質物 / 多芽体 / 4PU |
研究概要 |
桑のバイオテクノロジー技術の一つである人工種子の作出に関する基礎的事項の検討を行なった。初年度の研究実績の概要は次の通りである。 大西は冷蔵したカルスの出庫後の増殖促進について検討し、供試した5種類の化学物質に冷蔵によるカルスの休眠打破効果のあることを認めた。本間は重金属が植物カルスの成長に対する影響を調査し、各種金属元素の阻害順位はCa>Ni>Cu>Znの順であることを認めた。久野はFe,Co,Mnが桑の生殖器官の形成に及ぼす影響を検討し、雄性器官には影響は無かったが、雌性器官ではFe,Coが発育を促進すること、そして、Mnは雌性器官の着色を促進することを観察した。押金は桑カルスの増殖と再分化について、培地へ添加のNH_4とホルモンの関連を検討した。そして、LS培地の場合は現われなかったが、MS培地では品種間の差異はあるが不定芽形成が認められた。柳沢は桑夏芽の発芽成長に及ぼす鱗葉抽出物の影響について検討し、発芽成長に抑制的に働くこと、そして、その程度はABAの0.1〜0.5ppmの抑制と同程度であることを認めた。岡は桑芽生え茎頂部を含サイトカイニン液体培地に入れ垂直回転培養を行なった。その結果、小葉を持つ多芽体が4puを含む培地で形成され、静地培養に移すと正常にシュートが形成されることを認めた。 以上の研究は本研究課題に基づいて当初より計画的に行なった分担研究であって、それぞれの分担分野では主題の研究目的に対して意義深い実験を進めており、概ね所期の成果をあげうる研究経過をたどっている。そして、実用面への応用の可能性が濃くなったと考えられる。したがって、第2年次には個々についての研究に加えて、総合的な検討にも主点をおき、課題について研究の完結に近づけるよう進展させる予定である。
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