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1993 年度 実績報告書

水溶性画分に生成される新規なPQQ酵素の開発と酵素診断への応用

研究課題

研究課題/領域番号 05556016
研究機関山口大学

研究代表者

足立 収生  山口大学, 農学部, 教授 (20027189)

研究分担者 外山 博英  山口大学, 農学部, 助手 (60240884)
松下 一信  山口大学, 農学部, 助教授 (50107736)
キーワードピロロキノリンキノン / PQQ酵素 / 臨床検査 / アルコールの測定 / 中性脂肪の測定
研究概要

ピロロキノリンキノン(PQQ)を補酵素とするPQQ酵素は非可逆的に基質の酸化を触媒するので、バイオセンサーとしての利用が急速に広まってきた。PQQ酵素のうちでもPQQとヘムcの両方を補酵素として含む酵素、キノヘムプロテインは臨床検査用酵素として特にすぐれている。本研究ではキノヘムプロテインを水溶性画分に生成する微生物を広く検索して、新規なPQQ酵素を開発して酵素診断の向上に資することを目的としている。
そこで、広く微生物株をスクリーニングした結果、Pseudomonas putida HK5と同定された細菌が選ばれた。本菌株はアルコール脱水素酵素(ADH)とグリセロール脱水素酵素(GLDH)を、使用する培養基質によって別々に生成する点で、本研究に特に都合のよい菌株であることが判明した。ADHは分子量69kDaの単量体で、酵素1分子あたり1分子のPQQとヘムcを含んでいて、アルコール定量用酵素として評価されている酢酸菌の膜結合型ADHのサブユニットIに匹敵する諸性質を示した。本酵素が水溶性画分から得られる点で、酢酸菌のADHに比べて、多くの点で実用化に適した諸性質がみられた。一方、GLDHはグリセロールを唯一の炭素源として使用した場合にのみ、水溶性画分に生成されるのが特徴である。精製したGLDHは分子量72kDaで、ADHと同様に酵素1分子あたり1分子のPQQとヘムcを含んでいた。GLDHの基質特異性を調査した結果、GLDHは微弱ながら種々なアルコールも酸化するので、このGLDHを用いてリポプロテインリパーゼを使用した場合としない場合での酵素活性の測定値の差こそ、中性脂肪の絶対値に相当することが明らかになった。従って、本研究で得られるGLDHは種々な点で、理想的な酵素ということができる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 足立収生: "キノプロテインアルコール脱水素酵素" 化学と生物. 31. 224-234 (1993)

  • [文献書誌] Mamoru Yamada: "Topological Analysis of Quinoprotein Glucose Dehydrogenase in Escherichia colo and Its Ubiquinone-binding Site" J.Biol.Chem.268. 12812-12817 (1993)

  • [文献書誌] Kazunobu Matsushita: "A Novel Quinoprotein Methanol Dehydrogenase Containing an Additional 32-kDa Peptide Purified from Acinetobacter methanolicus Identification of the Peptide as a MoxJ Product" Biochemistry. 32. 5576-5582 (1993)

  • [文献書誌] Kazunobu Matsushita: "Advances in Microbial Physiology 33巻" Academic Press, 50 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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