研究課題/領域番号 |
05556017
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
福井 作蔵 福山大学, 工学部, 教授 (60013299)
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研究分担者 |
宮川 都吉 広島大学, 工学部, 教授 (10116676)
松崎 浩明 福山大学, 工学部, 助手 (90222299)
秦野 琢之 福山大学, 工学部, 助教授 (60198752)
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キーワード | 液体アルカン / ウンデカン-2-オン / 脂肪酸代謝 / 脂質の分泌生産 / Penicillium decumbens / アグロ・ペテロール |
研究概要 |
脂肪酸からのn-アルカン-2-オン(アグロ・ペテロール)生産を触媒する機能単位は細胞膜壁(Penicillium decumbens)に濃縮特異分布するので、同画分をCa-アルギン酸ゲルおよびアクリルアマイドゲルに包括し、バイオリアクターとした。触媒能の長期安定化(28°C、1週間)は確認されたが、反応速度は約50%に制御され、基質・産物の拡散障害によるものと判断された。 アグロ・ペテロールの発酵生産培養がすすむと、アルカン-2-オンは分解される。分解は酸化的モノ水酸化反応で、ω2、ω3、ω4、ω5位カーボンが水酸化される。酸化位置は基質アルカンの鎖長に依存し、鎖長が長いほどω位から遠い位置が酸化される確率が高くなる。モノ水酸化n-アルカン-2-オンは、2-炭素または3-炭素化合物を解裂遊離し、モノ水酸化アルコールになり、さらに解裂分解を受ける。すなわち、所謂β-酸化とは異なった代謝系の存在が示唆される。 アグロ・ペテロールの安価供給を可能にする為には、原料油脂が安価でなくてはならない。ブドウ糖基質の油脂分泌発酵を伴なう微生物の選択・育種を行なった。油脂(トリグリセリド)を分泌する能力をもつTrichosporon属酵母を見出だし、次いで、Saccharomyces cerevisiaeの変異株の中から、ブドウ糖を基質として油脂を分泌生産する株を選択する事に成功した。現在は、実用化までに可成の距離があるが、遺伝子工学的育種により乗り越えられると思っている。
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