研究課題/領域番号 |
05556019
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物生産化学・応用有機化学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
木曽 真 岐阜大学, 農学部, 教授 (90092931)
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研究分担者 |
吉國 義明 日本新薬株式会社, 生物研究所, 部長
石田 秀治 岐阜大学, 農学部, 助教授 (20203002)
長谷川 明 岐阜大学, 農学部, 教授 (10026429)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | イ-デオキシノジリマイシン / 細胞接着阻害剤 / シアリル・ルイスX糖鎖 / シアリル・ルイスA糖鎖 / スルホ・ルイスX糖鎖 / スルホ・ルイスA糖鎖 |
研究概要 |
イ-デオキシノジリマイシン(DNJ)及びその誘導体を糖鎖中に導入した新しいシアリルLewisx(SLex)ならびにLewisA(SLeA)類縁体の系統的合成を完成させ、主としてE-セレクチンをターゲットとした細胞接着阻害活性を明らかにしてきた。これらの化合物についてはさらに、ラットの心筋虚血再灌流障害に対する治療効果を検討するとともに、新規誘導体を分子設計し、P-及びL-セレクチンをターゲットとした細胞接着阻害活性ならびに動物モデルにおける有効性を追求した。その結果、DNJ骨核N-原子にブチル基を有するSLexエピトープ類縁体が、10〜30mg/kgの用量で心筋虚血再灌流後の梗塞量を有意に減少させることを明らかにした。 DNJ含有SLex及びSLeA糖鎖の接着阻害活性は、N-アルキル基の鎖長により変動することを明らかにしてきたが、他方、シアル酸部分が同じ陰イオン性の硫酸基に置換しうることを示した。すなわち、適切に保護したN-Z-DNJを含むLex及びLeA三糖構造を予め構築し、還元的N-アルキル化の後に、ガラクト-フ部分の3位水酸基を位置特異的に硫酸化し、各種のN-アルキル-DNJ含有スルホLexならびにスルホLeAエピトープ類縁体の系統的合成に成功した。これらの化合物は、E-セレクチンよりもP-及びL-セレクチンに対してより強い阻害活性を有しており、現在、各種の炎症モデルにおいてその有効性の検討を行っている。 以上のように、DNJを含む多数の細胞接着阻害剤の開発研究を行い抗炎症剤として有望ないくつかのリ-ド化合物を発見した。今後更なる用途開発を進めることにより幅広い治療応用への可能性が期待される。
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