研究課題/領域番号 |
05556023
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
萩原 秋男 名古屋大学, 農学部, 助教授 (90126889)
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研究分担者 |
守谷 孝志 小糸工業(株), 機電技術部, 係長
小川 一治 名古屋大学, 農学部, 助手 (90224097)
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キーワード | 立木光合成・蒸散測定装置 / チャンバー法 / 除湿制御 / 外気同調 / ヒノキ / 単木葉量 |
研究概要 |
既設の立木同化測定装置を、蒸散速度をも測れるように改造するために、精度面・コスト面から慎重に検討を重ねた。目標精度を、湿度制御に関しては±1.0gm^<-3>、蒸散速度に関しては±10%FSに設定して、既設の装置に付随する空調器で除湿する方法とそうでない方法との2つの基本的測定法に分けて検討した。空調器で除湿させる方法の幾つかを検討した結果、この方法は精度面・コスト面から不可能と判断された。空調器で除湿させない方法の内、導入空気を乾燥させる方法(チャンバ内が外気に追従するように除湿制御する)が精度面・コスト面から一番妥当であると判断された。この外気追従方式での装置の設計を行い、続いて装置の試作を行った。10月上旬に第1回目の試作装置が完成し、この試作装置を既設の装置へ組み込んだ。この装置を立木光合成・蒸散測定装置と名付け、樹高5.5m、胸高直径5.1cmのヒノキ個体に据え付けた。試運転を開始した結果、この試作装置には除湿制御部に改良すべき点があることが判明した。すなわち、チャンバーへ外気を導入するために必要なブロワーの排熱のため、送気温度が15℃までしか下がらず、除湿が充分に制御出来ないためである。年間を通じて蒸散速度を計測可能にする為には、夏期の水温上昇を考慮すると、既設の冷水機の冷却能力では不十分で、新規に750wの冷水機を準備する必要があると結論された。現在、この点についての改良を行い、第2回目の試作装置を製作中である。 以上の装置の試作と平行して、単木の葉量の推定を枝単位で行う方法を開発するとともに、熱収支法によるサップフロー測定、切断法による吸水測定、ポロメター法による単葉の蒸散速度測定を実施しており、試作装置が完成した暁には、各測定法間でのデータの突き合わせを行えるよう準備している。
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