研究課題/領域番号 |
05556027
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大熊 幹章 東京大学, 農学部, 教授 (80011906)
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研究分担者 |
相沢 直 橋本電機工業(株), 研究開発部, 部長
信田 聡 東京大学, 農学部, 助手 (00201541)
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キーワード | スギ / 単板 / 合板 / 構造用パネル / 国産材 / 配向性 / 連続生産 |
研究概要 |
針葉樹原木、特にスギ丸太からロータリー切削した単板は、厚さむら、表面粗さ、裏割れの程度が激しく、合板・LVLのエレメントとしては適当でない。本課題はスギを中心にした国産低質丸太を原料としてラワン合板に代替する構造用板材料を開発することに関わるもので、研究費の交付期間内にその連続製造ラインの試作を行うと同時に製品の性能についても幅広く検討することを目的とする 本年度は、前年度に試作したローラー付きギロチン型横切削装置を用いて単板のゼファー化(即ちローラーで単板を押し潰して連続網状繊維体とし、これを幅方向に切断して細長いスティック状のエレメントに加工すること)の条件を検討して装置の調整を行うとともに、これらのエレメントをクロス構成に積層して作る板状材料(Long Stick Board:LSB)の製造、材質について研究を進めた。LSB製造における熱圧締には新しく蒸気噴射装置をセットしたプレスを用いたが、噴射条件等に関する子細な検討は次年度に行う。材質については曲げ性能、剥離強さ、耐水性を考察したが、同一比重で比較するとパーティクルボードよりはるかにすぐれ、ラワン構造用合板に匹敵する性能を保持することを認めた。また、エレメントが空隙を有するので高圧で熱圧締が可能であり、高い強度をもつ比重の高いボードが製造できることが分かった。 一方、細長いエレメントを自動的に連続フォーミングする装置について機械設計を行った後、これを試作した。現在、エレメントをベルトの上に平均的に散布するための機械の調整を行っている。エレメントの形状によっては、エレメントが絡み合い連続的に排出されない場合が生じる。排出口のピッカーロールの改良が必要であり次年度に引き続き検討する予定である。
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