研究概要 |
今年度は曝気槽の模型として100cm×30cm×50cmの透明塩ビ水槽を3個、嫌気槽の模型として50cm×30cm×50cmの透明塩ビ水槽を2個、大型タンクなどから構成される実験装置を作成し早速実験を開始した。この装置を鳥取大学の汚水処理場に設置し、原水はそこから取り、一日一定量の汚水を連続的あるいは間欠的に供給し、放流水のBOD,COD,T-N,T-P透視度,pH,電気伝導度、処理に役立つ微生物、汚水に含まれる重金属などを定期的に観測および測定し、本装置の脱窒率、脱燐率を把握することに勤めた。 その結果、次の事が分かった。 (1)嫌気・好気法による運転では燐酸イオンの放出、過剰摂取減少が見られた。即ち、今までの活性汚泥法の中に嫌気状態を作ってやれば、生物学的に燐が除去される事が確認された。 (2)全リンの平均除去率は標準法では37.6%であるのに対し、嫌気・好気法では71.8%と高く、これは嫌気・好気法が脱燐に有効であることを示すものである。 (3)沈殿槽では燐酸イオンが汚泥から溶出する減少が見られた。これを防ぐには従来よりも早めに汚泥を沈殿槽から排除する必要があることが分かった。
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