私達の周辺の水環境は著しく悪化してきた。この問題を解決するには排水を処理して公共用水域に放流する事が必要である。しかし、現在の汚水処理技術はでは有機物の除去はほぼ完璧に出来るが、窒素やリンの除去には改良の余地がある。 今、問題となっている、湖沼の富栄養化問題を解決するには脱リン、脱窒の処理技術の開発が不可欠である.そこで、ここでは、従来の擬集沈殿法よりも、経済的で、運転も容易な嫌気・好気法、あるいは従来、海水を淡水化するために用いられる逆浸透膜を応用して水中の窒素やリンの除去に関する研究を行った.前者は浮遊生物法であれば、処理工程中に嫌気状態を作る事によって、窒素やリンの除去が可能になった.後者は脱窒や脱リンの機能に問題のある既説の処理場に、膜装置を単に付加するだけで脱リン、脱窒素が可能な事が分かった.また、脱窒・脱リンの能力は前者よりも効率であるが、膜分離装置に汚水を導入する前の前処理と、濃縮水の取り扱いにやや問題が残されている.
|