研究概要 |
遠赤外線ヒ-タを用いた汎用の農産物乾燥装置の開発を目的とし,遠赤外線による高品質化乾燥と汎用化することによる低コスト化に重点をおいた研究を行う。 本年度は試作した遠赤外線ヒ-タを持った農産物乾燥装置についてその性能を調査する研究を行った。この乾燥装置には温度の制御装置と換気装置を組み込み,さらに多点の温度が同時に計測できるシステムとし,種々の農産物を乾燥するための基礎データを得る。 乾燥装置の基本的な特性は遠赤外線ヒ-タ表面温度の立ち上がり,ヒ-タから一定距離離れた位置での温度,さらにその距離における平面の温度分布を求めて農産物の乾燥を行う上での基礎データとした。 また,乾燥室内を遠赤外線が反射するように鋼板で製作した結果,反射の効果が認められ,乾燥室内の温度が反射のない場合に比べて高くなった。さらに,乾燥室内の温度をある設定温度にしてサツマイモを供試して加熱効果を確かめたところ,設定温度よりサツマイモの表面あるいは内部の温度が高くなった。これは遠赤外線の放射伝熱が作用しているもので明らかに遠赤外線の効果である。 いままでの対流伝熱による農産物の加熱では,表面を高温にして内部の温度を上昇させるという方法がとられていたが,遠赤外線による加熱では照射することによって表面あるいは内部の温度が農産物が置かれた位置における雰囲気温度より高くなり,農産物を高温に曝すことなく加熱できることが確かめられ,高温にすることによる品質の低下をきたさない乾燥ができると考えられる。
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