研究課題/領域番号 |
05556044
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
永田 雅輝 宮崎大学, 農学部, 教授 (80041002)
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研究分担者 |
梶本 明 ミカド化工(株), 開発部長
梅崎 輝尚 宮崎大学, 農学部, 助手 (50221809)
寺尾 寛行 宮崎大学, 農学部, 助教授 (60117174)
続 栄治 宮崎大学, 農学部, 教授 (30041049)
御手洗 正文 宮崎大学, 農学部, 助教授 (60094083)
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キーワード | マルチ栽培 / 早期水稲 / 水田地温 / 超早場米 / 水稲栽培 / 田植機 / 水稲早進化 |
研究概要 |
7年度は研究の最終年度にあたることから、6年度に試作したマルチ田植機による水田圃場実証試験を実施した。 (1)実証試験は平成7年4月1日に試作機でコシヒカリを移植し、田植機の性能、地温及び生育状況、初期成育の促進を調査した。試作機の性能は植付ミスが9.2%あった。原因は機械的ミス(カッター部へのどろ詰まり)と圃場的ミス(代かきの均平悪さ)であったことから、作業技術と機構の改良で植え付けミスは5%以下に軽減できる。出穂時期はマルチ区が慣行区より1週間早かった。収量は精籾換算でマルチ区が慣行区に較べて117%を示した。 (2)稲の地上部と地下部の乾物重量を経日的に調査した結果、マルチ試験区が慣行区より5日程度早く成長していること、移植後42日頃から両者間には顕著な差が出てきて、地上部では5日、地下部では1週間早く成長したことなどから、マルチ田植による地温上昇で根系の発達が促進されたことを確認した。マルチの効果は初期生育段階の2ヶ月間にあたることが判明した。 (3)マルチによる水面の温度及び稲自体の温度をサーモグラフィで測定し、水田表面及び作物個体の温度分布と生育促進との関係を明らかにした。 以上のように、水田マルチ栽培は初期成育期間中の地温を高め、初期成育を促進し、その結果出穂成熟を早め、収穫日の早期化を可能ならしめることが、2年間の圃場試験を通して確認された。今後はマルチ田植機での移植作業で補助者2人を1人以下とする機械化の開発及び自動化研究を進める。
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