研究課題/領域番号 |
05556051
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
桑原 幹典 北海道大学, 獣医学部, 助教授 (10002081)
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研究分担者 |
神 隆 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (80206367)
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キーワード | 磁気共鳴画像診断法 / MRI / イメージングトルプローブ / NMRマイクロスコピィー / 老齢ラット・マウス / 脳退行性変性 / 実験小動物 / 超伝導マグネット |
研究概要 |
MRI(磁気共鳴画像解析法)の構成は、4.7T(テスラ)超伝導マグネット、200MHzラジオ波発生装置、磁場勾配発生装置、マイクロイメージングプローブおよびコンソ-ル成る。前年度の計画に基づき、核磁気共鳴(NMR)スペクトロメーターMSL200(Brucker)の超伝導マグネット、ラジオ波発生装置およびコンソ-ルを利用し、また磁場勾配発生装置はすでに開発作製済みの装置を利用し、イメージングプローブをそれに適合するよう調整した。イメージングプローブはプロトン、ナトリウム、リンを検出できるコリルであり、それぞれ内径2.5cmである。プロトンのプローブについては、この実験に先立ち300MHzのラジオ波に共鳴するものを作製し(内径50mm)、7Tの強磁場を作り出す超伝導マグネット(ボア径183mm)でラット脳の画像化を試みた。その結果、ラットの老齢化に伴う脳の退行性組織変化をスライス厚0.8mm、ピクセルサイズ0.12×0.12mm^2で断層撮像することができた。さらに、抗酸化物質投与による脳の退行性変性の防護効果の観察も行うことができた。この成果は第114回、第116会日本獣医学会ならびに第3回LECラット研究会で発表し、Joumal of Veterinary Medical Science(日本獣医学会誌)においてすでに学術論文として公表した。さらに、Neuroscience Letter(脳神経科学会誌)にも現在論文を投稿したところである。MSL200(Brucker)の超伝導マグネットはボア径がさらに小さく(52mm)、磁場がより均一であり、より密度の高いNMRシグナルが得られることから、この予備実験で利用されたコンピュータ技術、イメージングシステムをそれに応用することにより、さらに分解能の良い画像が得られる。現在、C57BACK/6マウスを用いて脳のプロトンのイメージングを行い、その画像の解析に当たっている。現在までのところ、画像の鮮明さ、分解能等、ボア径183mmの超伝導マグネットで得られたものと差が見られず、その対策を考慮している。今後、この点を改良し、マウス下垂体腫瘍に伴う下垂体肥大を経時的、非侵襲的に観察すること、主たる目的にして実験を行う。
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