研究課題/領域番号 |
05556052
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
塩田 邦郎 東京大学, 農学部, 助教授 (80196352)
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研究分担者 |
能田 健 東京大学, 農学部, 助手 (60218287)
浅野 敏彦 予防衛生研究所, 獣疫部, 主任研究員 (60100062)
佐々木 伸雄 東京大学, 農学部, 教授 (60107414)
高橋 迪雄 東京大学, 農学部, 教授 (30011943)
小川 智也 東京大学, 農学部, 教授 (30087572)
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キーワード | 20α-水酸化ステロイド脱水素酵素 / プロジェステロン / 20α-ダイハイドロプロジェステロン / 活性阻害試薬 / 株化腫瘍細胞 / 黄体細胞 / 乳腺癌細胞 / ヌードマウス |
研究概要 |
本研究計画は、近年新たな生理作用に関心が集まっているステロイド代謝酵素、20α-ステロイド脱水素酵素(20α-HSD)と、本酵素によるプロジェステロンの代謝産物20α-ダイハイドロプロジェステロンの生理作用を明らかにすることを目的として、同酵素活性阻害試薬を開発しようとするものである。 本年度は、まず新たな候補化合物の基本骨格情報を得るために、新規合成化合物の20α-HSDに対する、阻害活性スクリーニングをおこなった。その結果、in vitroで抑制活性を示す化合物、S-159・ATZ20・ATZ23・ATZ25・ATZ26を得、これらの分子構造と阻害活性の関係を検討することにより、阻害効果発現のための基本骨格情報を得ることができた。このうち、ATZ25とATZ26は株化腫瘍細胞FDC-P2の20α-HSD活性を強く阻害した。また、S-159は正常細胞(黄体細胞)中の活性を有意に抑制した。 活性抑制試験に用いる20α-HSDを卵巣サイトゾルより大量に精製することに成功した。この精製酵素を用いて、S-159の20α-HSD活性阻害機構を反応速度論的に解析した結果、S-159は20α-HSDを非競争阻害的に抑制していることが明らかになった。 20α-HSD活性を有する悪性腫瘍組織である乳腺ガン細胞を、ヌードマウスに移植しこれを維持することに成功した。これにより、阻害候補試薬の阻害活性および腫瘍増殖阻害活性評価系を確立した。 以上、本年度は阻害剤開発のために十分な基礎的研究成果を得ることができた。
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