研究課題/領域番号 |
05556053
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
甲斐 知惠子 東京大学, 農学部, 助教授 (10167330)
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研究分担者 |
遠矢 幸伸 東京大学, 農学部, 助手 (20180119)
伊原 武志 日本生物科学研究所, 研究員 (70150109)
山内 一也 日本生物科学研究所, 主任研究員 (30072888)
小船 富美夫 国立予防衛生研究所, 主任研究官 (80142644)
斉藤 泉 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (70158913)
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キーワード | 細胞傷害性T細胞 / アデノウイルスベクター / lacZ遺伝子 / SRα / EF1α / CAG / 膜蛋白遺伝子 / 遺伝子組換え |
研究概要 |
本研究の最終目的は個々の雜系動物での細胞傷害性T細胞の機能測定法をアデノウイルスベクターを用いることにより開発することであり、本年度は基礎的に重要な問題となるアデノウイルスの感染宿主域の検討と挿入遺伝子の発現効率を挙げることを中心に研究を行ない以下の成果を得た。 1)広い範囲で発現すると知られるSRαプロモーターの支配下にlacZ遺伝子を発現する組換えアデノウイルスを接種して、X-galにより青く発色させることにより、この組換えアデノウイルスの各種動物樹立細胞株(ウシ、ブタ、ニワトリ、イヌ、ネコ、ウサギ、サル、ヒト)への感染能、発現量を検索した。この結果、程度の差はあるもののアデノウイルスは検索した全ての動物種細胞に感染能を有することを明らかにした。この結果は、この系により細胞傷害性試験法が全ての動物種で確立される可能性が高いことを示唆するものであり、本研究の成果に期待が持てる。 2)高い力価のアデノウイルスの精製法を確立した。また各動物細胞で最も発現効率の高いプロモーターを検索するため、LacZ遺伝子をSRα、EF1α、CAG各プロモーターの下流に組み込んだ組換えアデノウイルスを作製した。これを用いて発現効率を比較した結果、発現プロモーターとしてはSRαよりさらにEF1α、CAGプロモーターが強力であること、CAGは浮遊系細胞に対しても高い発現を示すことが明らかになった。これらプロモーターの効率や特徴を各動物種細胞で検索した結果は、今後このベクターを用いたワクチンや治療などの開発に有用な知見をもたらすと考えられた。 3)オーエスキー病ウイルスの膜蛋白遺伝子gI,gII,gIII,gp50においてバキュロウイルスでの組換え蛋白発現系を用いて、細胞性免疫の関与が示唆される遺伝子部位を明らかにした。
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