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1995 年度 実績報告書

組み換えウイルスを用いた雑系動物の細胞傷害性試験法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 05556053
研究機関東京大学

研究代表者

甲斐 知恵子  東京大学, 農学部, 助教授 (10167330)

研究分担者 間 陽子  東京大学, 理化学研究所, 先任研究員 (50182994)
伊原 武志  日本生物科学研究所, 研究員 (70150109)
山内 一也  日本生物科学研究所, 主任研究員 (30072888)
小船 富美夫  国立予防衛生研究所, 主任研究官 (80142644)
斉藤 泉  東京大学, 医科学研究所, 助教授 (70158913)
キーワードCTL / 細胞傷害性試験 / アデノウイルス / 組み換え / 麻疹ウイルス / 牛疫ウイルス / 牛白血病ウイルス / 雑系動物
研究概要

本研究の最終目的は近交系のない雑系動物である多くの産業動物、伴侶動物、実験動物に普遍的に用いることができる細胞傷害性試験法を、アデノウイルスベクターを用いることによって開発することにある。本年度は、以下の成果を得た。
1)目的遺伝子を長期間発現持続させることを目的として、Cre/loxP系を用いることにより、目的遺伝子を発現する系を環状分子として細胞内で生成可能なアデノウイルスベクター系を開発した。予備検討系としてSV40の系を用いたため特殊であったが、今後挿入系を変えることにより持続期間を上昇させる可能性が十分期待される結果を得た。
2)昨年度作出に成功した麻疹ウイルスのHおよびF遺伝子を組み換えたアデノウイルスを、カニクイザルの末梢血に接種し感染の成立を見た。感染効率を上昇させる方法として各種マイトジェンでの幼若化およびEBV感染などの条件を検討した。
3)牛疫ウイルスでは、ウサギでの実験感染系と牛での組み換えワクチニアウイルス免疫系での免疫反応を検討した。両者においてT細胞の反応性が確認され、中和抗体価が低いが強力な感染防御能が認められたことより細胞性免疫の関与が強く示唆された。
4)牛疫ウイルスF蛋白を発現するアデノウイルスの作出に成功した。
5)牛白血病ウイルスでは、細胞性免疫の標的と推定されるenvおよびtax調節遺伝子をワクシニアウイルスおよび高度発現ベクターに組み込み、細胞株での発現を確認した。
6)牛の細胞性免疫を研究する基礎として牛のMHCII抗原を発現するcDNAクローンを13種得た。その発現系での解析により、抗原提示機能発現に関与する遺伝子座を決定した。また人と異なる発現分子の存在を認め、今後牛での抗原処理課程の解析が必要であると考えられた。
以上の成果は雑系動物での細胞傷害性試験法の開発の基礎として極めて有用と考られる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Okita, M., et. al.: "Immunohistochemical studies of lymphoid tissues of rabbits infected with rinderpest virus." J. Comp. Path.112. 41-51 (1995)

  • [文献書誌] Aida, Y., et. al.: "Identification of a new bovine MHC class II DRB allele by nucleotid sequencing and an analysis of phylogenetic relationship." Biochem. Biophys. Res. Commun.209. 981-988 (1995)

  • [文献書誌] Fujita, A., et. al.: "Gene targeting with a replication-defective adenovirus vector." J. Virol.69. 6180-6190 (1995)

  • [文献書誌] Iwatsuki, K., et. al.: "Immunohistochemical analysis of the lymphoid organs of dogs naturally infected with canine distemper virus." J. Comp. Path.113. 185-190 (1995)

  • [文献書誌] Miyake, S., et. al.: "Efficient generation of recombinant adenoviruses using adenovirus DNA-terminal protein complex and a cosmid containing full-length adenovirus genome." Proc. Natl. Acad. Sci. USA. (in press).

  • [文献書誌] Kai, C., et. al.: "Nucleotide sequences of the M gene of prevailing wild measles viruses and a comparison with subacute sclerosing panencephalitis virus." Virus Genes. (in press).

  • [文献書誌] 甲斐知恵子: "獣医伝染病学(第四版)pp.79-80, pp.239-241. (分担執筆)" 近代出版, 426 (1995)

  • [文献書誌] 甲斐知恵子: "獣医微生物学 pp.139-140, pp.207-210, pp.247-249.(分担執筆)" 文永堂出版, 332 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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