研究課題/領域番号 |
05556055
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
桑原 正章 京都大学, 木質科学研究所, 教授 (40035978)
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研究分担者 |
渡邊 隆司 京都大学, 木質科学研究所, 助教授 (80201200)
三井 隆 日本化学機械製造(株), 技術部, 副部長
麻田 恭彦 香川大学, 農学部, 助教授 (70151032)
谷口 正之 新潟大学, 工学部, 助教授 (00163634)
沢田 達郎 金沢大学, 工学部, 教授 (80019728)
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キーワード | リグニン分解酵素 / 白色腐朽菌 / リグニンペルオキシダーゼ / マンガンペルオキシダーゼ / バイオリアクター / 流下培養 |
研究概要 |
本研究では最初に担子菌によるリグニン分解酵素の大量生産のための固体培養および液体培養を試みた。まず、Bjcrkandera adusta(ヤケイロタケ)によるブナ木粉-小麦ふすま培地を用いるフラスコ静置培養では、液体静置培養に匹敵する高いマンガンペルオキシダーゼ(以下MnP)およびリグニンペルオキシダーゼ(以下LiP)活性検出された。また、ふすまのみを用いる培養においても、B.adustaはLiPとMnPを、Phanernochaete chrysosporiumはLiPを生産したが、培地の水分含量が酵素生産に大きな影響を与えることが示された。ついで、回転式固体培養装置を試作し、木粉培地を用いる培養を行った。B.adustaの培養ではMnPの活性はフラスコ培養よりも高い値を示した。さらに、流動層型バイオリアクターを用いたふすま培養の場合、B.adustaの生育速度は静置培養に比較して高くなり、LiP、MnPの生産が早まることが認められた。以上の結果は、試作した各種の固体培養装置がリグニン分解酵素の大量生産に用いられ得ることを示唆するものである。 一方、液体培養については、エアリフト型の培養装置を試作した。グルコース-ペプトン培地でB.adustaは静置液体培養に比べて活性は低いものの、この培養装置も酵素の大量生産に利用し得ることが示された。さらに、上記の担子菌以外にも、Lentinus edodesなどいくつかの菌株の木粉培養において高いMnPあるいはLiP活性が認められた。 得られたLiPはエチレングリコールなどの有機溶媒中で、ジメトキシベンチジンなどを水系緩衝液中よりも良く酸化し、有機溶媒中での芳香族化合物の変換に本酵素が利用できることが示された。 一方、爆砕処理とP.chrysosporiumで処理された木粉からの糖の生産の工業化のための最適装置と操作および制御に関する基礎的な知見を得た。
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