研究課題/領域番号 |
05557002
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
塩田 浩平 京都大学, 医学部, 教授 (80109529)
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研究分担者 |
土屋 利江 国立衛生試験所, 部長
石橋 誠 京都大学, 医学部, 助手 (30232341)
山本 雅子 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (50130901)
有嶋 和義 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (10124265)
森 千里 京都大学, 医学部, 助教授 (90174375)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | 胚細胞 / 器官原基 / in vitvo培養法 / 動物実験代替 / 発生毒性 |
研究概要 |
1.胎児器官法とmicromass培養法の確立 胎齢12.5日及び13.5日のマウス胎児口蓋ならびに11.5及び12.5日のマウス胎児四肢原基を完全合成培地で48〜72時間回転培養しin vivoに準ずる発育と組織分化を得る器官培養系を確立した。また、ラット胎児中脳および四肢原基の細胞を高密度で培養して三次元に近い状態で分化を観察し得るmicromass培養法も確立した。 2.培養胎児器官に対する化学物質の影響 胎齢12.5日及び13.5日のマウス胎児口蓋を培養し、催奇形性化学物質に対する感受性を調べたところ、12.5日胎児口蓋の方が化学物質の毒性に対する感受性が高いことが明らかになった。 12.5日のマウス胎児器官培養系に、in vivoで発生毒性を示す約20種の化学物質を種々の濃度で添加したところ、培養器官に対する毒性の強さはin vivoの発生毒性の強さと相関していた。また、それぞれの毒性発現濃度をヒトの臨床投与条件下における血中濃度と比較することにより、ヒトでの催奇形性のリスク予知に応用し得ると考えられた。以上の結果から、マウス胎児器官の培養系は発生毒性スクリーニングのための代替試験法として有用であることが明らかになった。 3.正常及び異常形態形成メカニズムの解析 マウス胎児口蓋を培養し、培地に上皮成長因子(EGF)20〜80ng/mlを加えたところ、濃度依存的に口蓋閉鎖が抑制された。また、培地にレチノイン酸を添加したところ、口蓋上皮の分化転換が阻害され、口蓋裂が誘発された。これらの結果から、本胎児器官培養法が、形態形成機序ならびに奇形発生機序の解析にも有用であることが示された。
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