• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1994 年度 実績報告書

アクチン・ミオシン間の滑りの素過程のエネルギー変換効率測定装置の開発

研究課題

研究課題/領域番号 05557004
研究機関帝京大学

研究代表者

杉 晴夫  帝京大学, 医学部, 教授 (20082076)

研究分担者 小林 孝和  帝京大学, 医学部, 講師 (00112756)
岩本 裕之  帝京大学, 医学部, 講師 (60176568)
茶圓 茂  帝京大学, 医学部, 講師 (60142452)
キーワードアクトミオシン / 筋収縮 / エネルギー変換効率
研究概要

本研究の平成6年度の主な研究成果は以下のように要約される。
1.グリセリン抽出単一骨格筋線維におけるエネルギー変換効率の測定:われわれはグリセリン抽出単一筋線維内のATP濃度を約200μMに保ち、この筋線維をcaged-Ca^<2+>(DM-nitrophen)のレーザ光フラッシュによるfreeCa^<2+>の放出により活性化し、種々の力学的条件下に筋線維の短縮と張力変化を記録することにより、筋線維が収縮中になす仕事量、仕事発生率を測定した。一方、筋線維内のATP量(約200μM)が筋線維内のミオシン頭部の濃度(約150mM)とほぼ等しく、したがって収縮の後期には急速にATPが減少し硬直状態(rigor)に移行する状態を利用し、収縮の任意の時点で筋線維の短縮を止めたさいの張力発生度からATPの消費量を間接的に測定した。この結果、(1)ATPの分解速度は無荷重下の短縮のさい最も大で等尺性収縮張力発生のさいに最も小さいこと、(2)最大仕事発生率が同じであっても、短縮速度が大なる収縮のほうがATP分解速度が大であること、および(3)auxotonic条件下での収縮では、最大仕事率と仕事量の間には一義的な関係のあること等が見出された。これらの結果は、われわれの年来の主張である、“収縮のさいのエネルギー変換効率は筋線維に加わる荷重によって決定される"という考えを支持する。
2.アクチン分子内のヌクレオチドのアクチン・ミオシン間の滑りにおける役割:アクチン分子の中心部にはADPが含まれているが、このADPのアクチン・ミオシン間の滑りにおける役は明らかでない。われわれはアクチン分子のADPの他のヌクレオチドによる置換およびこのADPの除去がアクチン・ミオシン間の滑りに及ぼす影響をin vitro assay系により調べた結果、アクチン分子のADPはアクチン・ミオシン間の滑りには関与していないことがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Oishi,N.&Sugi,H.: "In vitro ATP-dependent F-actin sliding on myosin is not influenced by substitution or removal of bound nucleotide." Biochimica et Biophysica Acta. 1185. 346-349 (1994)

  • [文献書誌] Chaen,S. et al.: "The force-velocity relationship of the ATP-dependent actin-myosin sliding causing cytoplasmic streaming in algal cells." Journal of Experimental Biology. 198(in press). (1995)

URL: 

公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi