研究課題/領域番号 |
05557019
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
堀井 俊宏 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (80142305)
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研究分担者 |
坂井 昭子 東京大学, 薬学部, 教授 (60012647)
田井 久美子 大阪大学, 微生物病研究所, 教務職員 (00187907)
杉山 智彦 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (90252709)
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キーワード | 熱帯熱マラリア / ドラッグデザイン / ジヒドロ葉酸還元酵素 / 人工合成遺伝子 / レコンビナント蛋白質 |
研究概要 |
抗マラリア剤開発の新しい戦略を目指し、我々はいくつかの抗マラリア剤の標的酵素であるDHFR-TS(ジヒドロ葉酸還元酵素-チミジル酸合成酵素)複合体に着目した。本研究はマラリアのDHFRをX線結晶解析にかけ、それより得られた原子座標をもとにコンピューターによってマラリアのDHFRを阻害する化合物をデザインし、さらに試験管内において効率のよい阻害剤をスクリーニングしようというものである。 本年度においては、レコンビナントDHFRのN-末端、及び、C-末端の一次構造に改良を加え、その酵素活性の上昇と安定性の増加を試みた。その結果、マラリア原虫より単離されたものと同等の活性を持つ構造と、従来のレコンビナントDHFRより安定な構造が得られた。また、いくつかの薬剤耐性型の変異DHFRについてもレコンビナントを構築した。これらのレコンビナントDHFRを用いて、葉酸アナログであるpyrrol[2,3-d]pyrimidineの誘導体100種以上についてそれらの阻害効果を測定した。そのうち約半数のものが、低濃度で強い阻害活性を示した。また、選択毒性についてはbovineDHFRを対照として用い、いくつかの薬剤は20-70倍の選択毒性を示した。培養マラリア原虫の増殖阻害について観察した結果、シクログアニル耐性型DHFRに強い阻害効果を示すものも発見された。一方、コンピュータードラッグデザインによって設計された化合物数十種類について、同様にスクリーニングしたところ、bovineDHFRに比べて、200倍を越える選択毒性を有する化合物が得られた。
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