研究課題/領域番号 |
05557020
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金ヶ崎 士朗 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012767)
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研究分担者 |
小林 園子 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (00013764)
栗林 太 東京大学, 医科学研究所, 助手 (60251443)
布井 博幸 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50218260)
大海 忍 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (20160046)
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キーワード | 慢性肉芽腫症患者 / スーパーオキシドアニオン / b型のシトクロム / リポソーム / インベージン / 合成ペプチド / 白血球 |
研究概要 |
本研究は慢性肉芽腫症患者の白血球で欠損している細胞質性蛋白質を種々の方法で取りこませ、活性を発現させる方法を開発することにある。慢性肉芽腫症は、その好中球やマクロファージが刺激時にスーパーオキシドアニオンを産生できない先天性の異常である。この産生系は、形質膜に存在する特殊なb型のシトクロムに、細胞質の分子量47-および65-kDaの蛋白質などが会合して構築される。これらの蛋白質が欠損するとスーパーオキシドが産生されず、発症する。本研究ではまずファゴサイトーシスを利用しリポソーム封入蛋白質を食細胞に移入する方法の検討を行った。このため脂質を組成を変えたリポソームを食細胞に貧食させ、その応答を化学発光として測定する方法により、脂質の相転移温度が高い(つまり固い)リポソームほど反応性が高く、また正に荷電している方が粒子の大きさに関係なく急速な反応を引き起こすことなどが明らかになった。一方これとは別に細胞侵入性細菌であるエルシニア菌の侵入性因子インベージンを大腸菌に発現させたものを用い、これより調整したインベージンを含む外膜が種々の細胞内に取り込まれることを明らかにした。即ちこの外膜を音波処理することにより蛍光色素を取り込ませたものは、各種の細胞にとりこまれることを明らかにした。また、このインベージンを含む外膜に抗生剤を取り込ませ、細胞内寄生菌であるネズミチフス菌が感染した細胞に与えると、これを殺菌できることを明らかにした。これらは別に細胞穿穴法によりシトクロム大鎖のC末端の合成ペプチドを好中球に導入した場合、これが機能しスーパーオキシド産生に影響を与えることが明らかになったので、現在このペプチドを膜に取り込ませて細胞内での機能発現を見ている。
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