研究課題/領域番号 |
05557020
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金ヶ崎 士朗 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012767)
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研究分担者 |
小林 園子 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (00013764)
布井 博幸 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50218260)
大海 忍 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (20160046)
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キーワード | 慢性肉芽腫症 / CGD / スーパーオキシド / 好中球 / Bリンパ球 / 遺伝子 / 白血球 / ベクター |
研究概要 |
本研究の目的は慢性肉芽腫症(CGD)患者の白血球(食細胞とBリンパ球)に、欠損している蛋白質を取りこませたり導入した遺伝子を発現させることにより、スーパーオキシド産生活性を回復させる方法を開発することにある。この産生系は、形質膜の特殊なb型のシトクロム(gp91とp22からなる)と、細胞質の分子量47-および65〜67-kDaの蛋白質(p47、p67)などから構築される。これら何れかの蛋白質に欠損があるとスーパーオキシドが産生されずにCGDとなり、患者は幼時より生命に関わる重得な感染症をくり返す事になる。昨年度まで蛋白質の導入についての検討を行い基礎的知見を得たが、蛋白質の導入ではその導入効率について限界があることも明らかになり、遺伝子導入についての面からの検討を始めた。これらの蛋白質の細胞の濃度を測定したところ、p47、p67は一個の好中球あたり、2.6x106、8.6x105分子、Bリンパ球では、4.7x105、3.3x104分子あることが明らかになった。一方、CGD患者の遺伝子解析を進め、p47欠損では総ての患者で同一部位にGC欠出があり、フレームシフトをおこしていること、p67欠損では欠損部位が種々あることが明らかになった。これらの患者のBリンパ球をEBウイルスで不死化し、開発したHavey murine sarcoma virusにp47、p67遺伝子を組み込んだベクターを導入したところ、スーパーオキシド産生能を構築する事ができた。
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