研究課題/領域番号 |
05557021
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩本 愛吉 東京大学, 医学部(医), 助教授 (10133076)
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研究分担者 |
清水 洋子 国立予防衛生研究所, 厚生技官 (00142357)
吉倉 廣 東京大学, 医学部(医), 教授 (60012754)
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キーワード | hepatitis C virus / HCV / neutralizing antibodies |
研究概要 |
(1)試験管内HCV培養系の改良:HCVの試験管内培養に用いた最初の培養細胞株Molt4-Maより効率良くHCVが増える培養細胞を探し、HPB-Ma細胞が良いことを見いだした。また、HPB-Ma細胞の亜株によりHCVの増殖効率が異なることを見いだし、安定してHCVをよく増殖させるクローン10を樹立した。 (2)チンパンジー感染価のわかった材料6種類につき試験管内感染価を測定し、両者に相関のあることを見いだした。 (3)HCVが細胞に吸着する効率を測定する系を確立し、細胞への吸着効率と感染価に相関のあることを見いだした。 (4)吸着効率の悪い材料では、HCV粒子が抗体と結合した複合体を形成していることを見いだした。 以上、HCVの細胞への吸着阻止を指標とする感染防御抗体測定系がほぼ確立できたと考えられる。 (5)レトロウイルス(マウス白血病ウイルス:MLV)のコアタンパク質を発現するパッケージング細胞にHCVの糖タンパク質遺伝子を持つレトロウイルスベクターを導入すると、感染症ウイルスが出現した。しかし、詳細に検討したところそのウイルスは、パッケージング細胞の内在性ウイルスが活性化されて出てきたMLVのシュードタイプと考えられた。HCVの糖タンパク質を表面に持つシュードタイプウイルスは証明できなかった。HCVとMLVとのキメラ糖タンパク質を培養細胞で発現させたが、キメラ糖タンパク質は粗面小胞体に停留し細胞表面には発現されなかった。
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