研究課題/領域番号 |
05557022
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菅村 和夫 東北大学, 医学部, 教授 (20117360)
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研究分担者 |
里見 進 東北大学, 医学部, 講師 (00154120)
佐々木 毅 東北大学, 医学部, 教授 (50110656)
浅尾 裕信 東北大学, 医学部, 助手
仁木 賢 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (60241626)
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キーワード | IL-2 / IL-2受容体 / γ鎖 / 増殖シグナル / 免疫抑制 |
研究概要 |
T細胞増殖因子であるインターロイキン2(IL-2)の機能的受容体は、従来より知られていたα鎖、β鎖に加え、我々が最近単離に成功したγ鎖を含んでいる。γ鎖はβ鎖とともにIL-2の高親和性結合と、細胞内シグナル伝達に必須であることを我々は示した。本研究では、まず細胞質内ドメインに変異を導入したγ鎖を用いて、γ鎖のシグナル伝達能を詳細に調べた。C末端30アミノ酸を欠失した変異株では、IL-2によるc-fos,c-junの発現誘導がみられないが、野性株ではみられた。しかし、同じ変異株はβ鎖のチロシンリン酸化、^3Hチミジンの取り込みを野性株と同様に誘導した。C末端のアミノ酸68個を欠いた変異株ではチロシンリン酸化、^3Hチミジンの取り込みが共にみられなくなっていた。この結果は、IL-2受容体が2つの独立したシグナルを伝えることを示している。さらにγ鎖の細胞質内ドメインのSH2様サブドメインを含む領域が細胞増殖のシグナルに重要であることを示している。 また、γ鎖の異常は伴性重症複合免疫不全症(XSCID)の原因となっている。IL-2の欠失では、XSCIDを発症しないことから、γ鎖がT細胞の分化に関与している他のサイトカインの受容体の構成成分になっている可能牲が高い。我々は、まずマウスγ鎖に対する抗体を樹立し、この抗体を用いてサイトカインの作用に対する影響を調べた。IL-2の結合に競合的に働くγ鎖に対する単クロン抗体TUGm2は、IL-4とIL-7による増殖を阻害した。他方、IL-2の結合を阻害しない単クロン抗体TUGm3は、^<125>IIL-4、^<125>IIL-7と化学架橋したγ鎖を免疫沈降した。これらの結果は、当初、IL-2の受容体の構成成分として同定されたγ鎖が、IL-4、IL-7の受容体にも必須なサブユニットであることを示している。
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