研究課題/領域番号 |
05557025
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池田 正之 京都大学, 医学部, 教授 (00025579)
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研究分担者 |
新保 慎一郎 京都女子大学短期大学部, 教授 (60027406)
井口 弘 京都大学, 医学部, 助手 (90025643)
渡辺 孝男 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (20004608)
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キーワード | ICP分析 / 秤量・積算分析 / ミネラル / 栄養元素 |
研究概要 |
平成6年12月〜平成7年2月の間に国内5カ所において検体収集調査を行い、1カ所当り24〜29名の成人女性(主として農家の主婦)より陰膳方式による24時間食物検体を得た。検体は収集後直ちに構成食品目ごとに弁別秤量して重量を記録した後、大型ブレンダーを用いて混合・磨砕し、粥状となった磨砕物の一部を検体として研究室にて凍結保存した。検体の一部を鉱酸存在下に加熱して湿式灰化の後、プラスマ発光分析装置によりナトリウム・カリウム・リン・カルシウムおよび鉄を測定し、総重量から一日摂取量を求めた(実測値)。平行して各食品目ごとの重量と四訂版日本食品成分表の一日摂取量を計算した(秤量・積算による計算値)。当研究室には過去に収集した食物検体磨砕物とその構成食品目別重量記録が保在してあるので、これらについても上記と同様にICPによる実測値と秤量・積算による計算値を求め、計237組の結果を得た。但しカリウムの実測値はナトリウムの共存によって修飾されるため、ナトリウム共存効果について補正してある。予備的解析によれば5元素の実測値と計算値はいずれもほぼ正規に分布(但し高値側にやや尾を引く)し、かつ実測値と計算値の間にはいずれも有意(p<0.01)な相関(相関係数は鉄の0.25を除いていずれも0.5以上)を認めるが、両値は一致せず、それぞれの平均値を比較するとナトリウム・カリウム・リン・カウシウム・鉄の実測値は計算値のそれぞれ85%、85%、107%、95%、82%であった。したがって、リン以外の元素の場合、計算に基づく一日摂取量は摂取を過大評価する危険を伴っていることになる。不一致の原因ことに特定の食品の摂取に際して不一致を生じている可能性について検討している。
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