研究課題/領域番号 |
05557035
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
秋野 豊明 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80045377)
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研究分担者 |
長田 篤雄 ヤマサ醤油(株), 診断部・免疫研究室, 室長 (00129157)
細田 健治 帝人(株), 医療診断研究所, 主任研究員
本田 泰人 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70190270)
阿部 庄作 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60113510)
黒木 由夫 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (70161784)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | 肺サーファクタント / サーファクタント・アポ蛋白質 / 血清検査法 / 特発性間質性肺炎 / びまん性肺疾患 / SP-A / SP-D / 免疫グロブリン |
研究概要 |
本試験研究は、肺サーファクタント蛋白質SP-A,SP-Dを指標として、各種肺疾患における血清SP-A及びSP-Dの診断的異議を確立することを目的とし、遂行された。得られた成果を以下に要約する。 1.SP-Aの血清検査法を確立し、高感度、簡易、迅速な「SP-A測定キット」を実用化した。血清SP-A濃度の健常者正常値から得たカットオフ値は43.8ng/mlで、これ以上を血清SP-A陽性とした。肺胞蛋白症(PAP)、特発間質性肺炎(IIP)の陽性率は50%以上と高く、特にIIPの急性憎悪期では著るしい上昇がみられた。この結果から、血清SP-A濃度をIIPの診断基準に加えることを提唱した。 2.SP-Dの血清検査法を確立し、「SP-D測定キット」を実用化した(特許申請中)。標準SP-DにはリコンビナントSP-Dを使用した。健常者正常値から血清SP-D濃度のカットオフ値は136ng/mlで、IIPは91.5%、PAPは87、5%と非常に高い陽性率であった。また、IIPの血清SP-D値は高いが、肺洗浄液(BAL)中のそれは正常値より低濃度であり、一方、PAPでは血清、BALともに高値なので、両疾患におけるSP-Dの血中出現機構の違いが示唆された。 3.血清SP-A値とSP-D値には、有位な相関は認められなかった。IIPには血清SP-A値の高い病態群と血清SP-D値の高い病態群が存在することが示唆された。 4.PAP患者BAL中のSP-Aは、巨大分子構造に変化があり、この型のSP-AはIgGとの結合性を獲得すること、リン脂質膜の格子様構造を形成しないことを示し、SP-Aの構造変化がPAPの病態形成に深く関与していることを明らかにした。
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