研究課題/領域番号 |
05557043
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
梶谷 文彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70029114)
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研究分担者 |
松本 健志 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 講師 (30249560)
望月 精一 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 講師 (60259596)
後藤 真己 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 助教授 (50148699)
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10152365)
辻岡 克彦 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (30163801)
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キーワード | 高品位CCD生体顕微鏡 / GRINレンズ / 冠微小循環 / 心筋内微小血管 / 糸球体 / 腎内微小血管 / ニードルプローブ / 腎微小循環 |
研究概要 |
心臓自体の栄養血管である冠微小循環の解析は極めて重要な課題であるが、心臓の拍動に伴う動きのため、これまで顕微鏡映画法による心外膜側微小血管の観察がが唯一の方法であった。そのため、心筋虚血の発生しやすい心内膜側微小循環の観察は全く不可能とされてきた。そこで我々はニードルレンズ型CCD生体顕微鏡(CCD2万画素)を開発し、心内膜側心筋内微小血管の観察に世界に先がけて成功した。本研究では、観測視野サイズを拡大した上でCCD生体顕微鏡の分解能の向上し、拍動心のような観測視野内で動く微小循環の解析を目的とした。 本年度は、GRINレンズ付き広視野CCD(200万画素)顕微鏡及びGRINレンズホルダーを試作した。本システムの性能評価を行った結果、観測視野は1.4×0.8mm^2、線識別の限界は約2.5μm、偏位計測精度は約1.5μmであることが判った。実際に微小血管を観察した結果、毛細管の形状や血管内を流れる赤血球イメージの識別が可能であった。本システムによりイヌ冠微小循環の観察を進めているが、従来のシステムよりも細い20〜30μm以下の血管の心拍動に伴う径変化を鮮明に観測できた。なお、蛍光対応は光量の制約のため心外膜側冠微小血管観察のみを行っているが、FITCデキストランによる明瞭な蛍光イメージを得ることができた。つだ、本システムの他臓器への応用として、腎内微小循環を観察したが、腎糸球体はもとより、糸球体の輸入および輸出動脈の観察が可能であった。例えば血管収縮剤アンギオテンシンIの昇圧量投与は輸入・輸出血管を同程度に収縮させることが明らかにされた。 本システムは直径50μm以下の冠・腎微小血管の観察を可能とした点に特徴があり、心筋内で拍動する冠微小血管の解析やこれまでアクセスが不可能であった腎内微小循環の観察に極めて有効な手段を提供することが判った。
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