研究課題/領域番号 |
05557044
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
三嶋 豊 神戸大学, 医学部, 名誉教授 (10073743)
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研究分担者 |
平塚 純一 川崎医科大学, 講師 (30192298)
福田 寛 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (30125645)
吉野 和夫 信州大学, 理学部, 助手 (70143964)
古林 徹 京都大学, 原子炉実験所, 講師 (90089136)
市橋 正光 神戸大学, 医学部, 教授 (00030867)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | 悪性黒色腫 / 熱中性子捕捉療法 / ボーラス / PET |
研究概要 |
平成5〜6年度には悪性黒色腫6症例にホウ素熱中性子捕捉療法(BNCT)を施した。5年度以前の治療例に合算すると処理患者数は18に上る。治療結果を総括すると: 性別 男9、女9:治療時年齢 48〜85:病型 肢端黒子型9、結節型6、悪性黒子型3:原発巣14、転移巣3、衛星転移を伴った原発巣1;に対し完治9、顕著縮退6、経過観察中3を得た。病巣位置は足底部8、顔面3のほかは後頭部、ソケイ部、頭皮、拇指爪甲下、第5指、下肢、足脚腿部などさまざまであった。 次に、最近の進歩のうちから臨床的に有用な2件を挙げよう。 a)皮膚面から外側へ凸出した腫瘤の周りをとり囲むように置くド-ナツ形の生体組織等価物(通例ゼラチン製)をボーラスと言い、これを使えば腫瘤底部の吸収線量を調節できる。この方法は殊に結節型黒色腫に有効であって、我々は根治該当線量を与えるため、この技術を応用した。 b)本プロジェクト開始当初からポジトロン放射トモグラフィー(PET)は黒色腫診断に新技法をもたらすと期待されていた。また既に次の事実が知られていた。本療法に於てmelanoma-seeking化合物として常用されているパラボロノフェニルアラニン(^<10>B-BPA)をフッ素化すると、ポジトロン放射性の誘導体^<18>F-^<10>B-BPAが得られる。黒色腫担癌ハムスターに^<18>F-^<10>B-BPAを投与の後、PETを行うとその体内分布模様が映像化され視覚的に捕えられる。以後2年の研究で本技術はさらに発展し、相当量の^<10>B-BPA共存下でPETを実施することにより^<10>B濃度を評価できるに至った。この間^<10>B-BPAは黒色腫のみならず脳腫瘍に対しても有望な^<10>Bキャリヤ-であることが判明し、これを用いた脳腫瘍の臨床治療が日米両国で研究され始めたので上記技術開発は意義深い。
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