研究課題
動脈硬化症の成因は多岐にわたり種々の方面より治療の試みがなされている。特に近年の生活の欧米化に伴い、高脂血症は増大し、虚血性心疾患などの動脈硬化症疾患が増加している。私共は発生工学的手法を用いて、トランスジェニックマウスを作製することにより動脈硬化症のモデル動物を作製して、今後の動脈硬化研究や、治療薬の開発に役立てたいと考えている。本年度はアポEを過剰発現するマウス及びリポタンパクリパーゼを過剰発現するマウスを確立し、その脂質代謝について検討を行った。何れも、脂質代謝を改善する作用が著明であることが明かとなった。また、両蛋白の動脈硬化症への関与についても現在、研究が進行中である。また石橋はGoldstein及びBrownと共に、LDLレセプターを欠損するノックアウトマウスの開発に成功した。本マウスにおける脂質代謝及び動脈硬化症モデルとしての有用性について検討を行っている。アポEノックアウトマウスについては、我々独自の開発も進めているが、石橋は前田らと共同研究により、LDLレセプターとアポEの両者を欠損するノックアウトマウスの開発を行い、より動脈硬化症の著明な動物モデルの開発を行おうとしている。M-CSFの遺伝子ターゲティングは現在進行中である。
すべて その他
すべて 文献書誌 (6件)