研究分担者 |
平尾 佳 大塚電子(株), 研究開発部光散乱グループ, 研究員
岡 宏一 大塚電子(株), 研究開発部, 部長
今井 正 香川医科大学, 医学部, 助手 (60176477)
磯部 健一 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (00159815)
伊藤 進 香川医科大学, 医学部, 講師 (80145052)
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研究概要 |
新生仔豚の頭部へ直接近赤外領域の光を照射して,脳組織へ入射する光と,脳組織から射出してくる光の特に頭皮や頭蓋骨のレベルでの吸収,多重屈析・反射などに起因する光エネルギーの喪失による解析の障害を解消するために光の射出部位を多プロット化して差スペクトルによる演算方式を導入して,従来不可能であった頭蓋骨内の脳組織の各成分の吸収スペクトルを測定してoxygenationの状態をnon-invasive且つin situで自動的解析を可能にせしめ新生児・未熟児の脳障害の予防・治療に資することを究極の目的とするものである。ハロゲンランプ(150W/300W)の光を新生仔豚の脳に光ファイバーにて入射せしめ,一定の距離を隔てて射出してきた極微量な光をIMUC-7000を用いて増幅して脳実質内に存在する700〜900nmに吸光度を有し,且つ酸素分圧により吸収スペクトルが変動する一連の物質(HbO_2,Hb,cytochrome c oxidase)などの連続近赤外吸収スペクトルを測定することに成功した。さらに各波長における各物質の吸光能力(分子吸光係数とその濃度との積)の大きさにより実質光路長が変動して起こる吸収スペクトルの平坦化flatteningを拡散補正式を導入することにより線形性を有する透過スペクトルに導くことに成功した。ついでinteroptodeを5〜15mmの間で順次変化させて差スペクトルを測定することにより,脳を覆う頭皮や頭蓋骨のスペクトルを除去して純粋に脳実質の吸収スペクトルのみを測定することに成功した。 上述の成果により臨床的実用化への次のステップとして多ポイント化を自動的に行うように光ファイバーのprobeを試作して実際にこれを使用して不備な点は改良を加え,且つ差スペクトルをコンピューター制御により自動的に行なえるようにソフトを改良し,脳組織のoxygenationの変化に起因するHb等のchromophores各物質の濃度変化をreal timeでin vivo且つin situで正確に追跡することが可能となりつつある。
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