研究課題/領域番号 |
05557061
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
清水 慶彦 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (00027111)
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研究分担者 |
夏目 徹 株式会社日本ハム, 中央研究所, 研究員
人見 滋樹 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (80173186)
筏 義人 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (00025909)
中村 達雄 京都大学, 生体医療工学研究センター, 助教授 (70227908)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | 人工食道 / コラーゲン / 横紋筋 / 食道腺組織 / 蠕動運動 |
研究概要 |
コラーゲンとシリコン・チューブの複合体よりなる2層管の人工食道を開発している。この人工食道の特徴は最終的に生体内に異物が残らないということである。この人工食道を用いてイヌの頚部食道5cmの置換を試みシリコーン・チューブを術後4週間以上保持することによってこれまでの人工食道に頻発した合併症である狭窄、感染、縫合不全、逸脱を克服した。また再生食道において食道腺組織や横紋筋組織の再生を認め、正常食道と同様の組織構造を得ることができた。再生食道が正常食道のもつ生理機能である蠕動運動を有するかどうかを検討した。バルーン内圧法により再生食道における蠕動運動を検討した結果再生食道においても自己食道に協調する蠕動運動を認めた。またこれによって再生食道に神経の再生が生じていることが示唆された。 我々の開発した人工食道を用いて得られた再生食道は形態的、組織的、生理的にも正常食道と同様のものであることが判明した。これまでに5cmの食道置換を行ってきたが実際の臨床の場で広く用いられるためにはより長い欠損部の置換に耐え得るものを開発する必要がある。そのため我々は10cmの人工食道を作製しイヌの頚部食道の置換を試みた。10cmの人工食道理植後4週目において、再生食道は口側吻合部より肛門側吻合部まで連続した粘膜上皮で覆われていた。また、5cmの人工食道の置換と同様、再生食道に置いて筋組織、食道腺の再生を認めた。現在10cmの人工食道を理植した人工食道犬は一年以上の長期生存を得ている。このことにより我々の開発した人工食道は実際の臨床において十分使用することが可能な嶽工食道であると思われる。 今後、実際の臨床への応用を行うとともに、組織再生のメカニズムの解明を行って行く。
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