研究課題/領域番号 |
05557067
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
古川 昭栄 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (90159129)
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研究分担者 |
河岸 洋和 静岡大学, 農学部, 助教授 (70183283)
大井 長和 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (80135615)
古川 美子 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (20219108)
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キーワード | 神経成長因子 / NGF / ニューロトロフィン / BDNF / NT-3 / 4-メチルカテコール / 末梢神経 / 再生 |
研究概要 |
1)ニューロトロフィン特異抗体作製の成功 4種類のニューロトロフィンは相互に50%のアミノ酸ホモロジーをもつためこれまで特異抗体の作製が困難であった。我々は個々のニューロトロフィンに特異的な構造部分の合成ペプチドを抗原として特異的な抗体を作製することに成功した。得られた抗体は高親和性、高抗体価であれこれを免疫染色に用いると神経組織はもちろん、培養細胞内のニューロトロフィンまでも明瞭に染色することができることがわかった。この方法の開発により、培養線維芽細胞、シュワン細胞、アストロサイトに対してBDNFまたはNT-3合成を促進する薬物をスクリーニングすることが容易となった。現在この系を用いてBDNF、NT-3合成の誘導物質を検討中であるが、NGF合成誘導物質である4-メチルカテコールはBDNF合成誘導活性をもあわせもつことが判明した。 2)ニューロトロフィンの局所投与による坐骨神経再生の評価 ラット坐骨神経を切断したあと、シリコンチューブで両断端をつなぐ。その際、チューブ内にNGF,BDNFあるいはNT-3を注入しておきその後の再生組織を観察する。現在、再生組織標本の作製、観察を行っている。 3)機能的神経再生への4-メチルカテコールの効果 これまでにラットで坐骨神経を切断、チューブで両端をつないだ後、チューブ内には生理食塩水だけを注入し、腹腔内に4-メチルカテコールを2週間投与することで再生軸索の数が著名に増加することを観察している。さらに4-メチルカテコールによる神経再生の促進が神経機能の回復にまでむすびつくかどうかを明らかにすべく、坐骨神経運動機能指数を指標として観察中である。 4)4-メチルカテコールによるアクリルアミド惹起神経炎の改善 アクリルアミドを投与されたラットは末梢神経を変性をきたし、運動機能の低下が顕著となる。しかし、アクリルアミドの投与されたラットは末梢神経の変性をきたし、運動機能の低下が顕著となる。しかし、アクリルアミドの投与と同時に4-メチルカテコールを腹膣内投与すると座骨神経内NGFレベルの低下が抑制されると共に運動神経刺激伝達速度の低下も有意に抑制されることが判明した。
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