研究分担者 |
近藤 祐司 アロカ株式会社, 技術部, 主任
松中 敏行 アロカ株式会社, 技術部, 部長
寺澤 悦司 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (90180075)
土肥 修司 岐阜大学, 医学部, 教授 (40155627)
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研究概要 |
連続的に心拍出量モニターが可能な新しい肺動脈ドプラカテーテルの開発のため、超音波入射角に依存しない絶対流速測定装置,肺動脈ドプラカテーテルと心拍出量測定装置を製作して以下のような研究結果を得た. [装置とカテーテル]血流速度演算装置は,位相差分法を用いた超音波パルスドプラ法による測定装置を改良し,臨床上必要な程度の流速までの測定可能最大流速を持つ装置にした.また,ドプラカテーテルは水槽実験用の鋼製のカテーテルと動物実験用の肺動脈ドプラカテーテルを開発し,臨床応用の準備を進めている. [水槽実験]定常流および拍動流潅流モデルを作製しエコー源混入水および血液を潅流して電磁流量計より求めた平均流速と潅流モデル内に留置したドプラプローブで計測した流速の相関関係を検討した.ドプラプローブは入射角を5種類変化させ,相関関係を検討したが,両者の間にはr^2〉0.99の良好な相関関係が認められた.また潅流モデル管腔内の流速プロファイルを求めたが,中心流の流速測定は難しくないことが判明した.本装置により超音波入射角に依存しない絶対流速の測定が可能であると考えられた. [動物実験]雑種成犬(15-30kg)を対象に,心拍出量を熱希釈法および電磁流量計による測定値と肺動脈ドプラカテーテルによる測定値で比較検討した.ドプラカテーテルによる心拍出量の測定値は,熱希釈法との間にr=0.9,電磁流量計との間にr^2=0.99の良好な相関関係が認められたが,心拍出量演算のための測定流速の平均化の規定を時間から心電図同期した心拍平均に装置の改良を行い,測定精度は更に向上した.また,適切な肺動脈カテーテルへの超音波振動子装着部位は対象動物の大きさに左右され,至適装着部位は雑種成犬では先端から3-4cmであったが,人では4-5cmではないかと推測され,今後の臨床検討の結果が待たれる.
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