研究概要 |
計画(1):ヘモグロビン(Hb)とミオグロビン(Mb)の分離測定条件の検討 【.encircled1.】in vitroの検討:<方法>Hb(ブタ赤血球)とMb(クジラ)を用い、酸化状態(100%酸素で飽和)と還元状態(Na_2S_2O_4で還元)を作製し、700nm,730nm,750nm,805nmにおける吸光度を測定した。<結果>HbとMbは酸化状態では700-805nmの吸収スペクトルは同様で区別できなかった。還元状態では、740-760nm領域で吸収ピークの位相に10nmのずれがあり、両者を区別できた。in vivo の検討:<方法>ラットの摘出灌流心の冠動脈に酸化または還元状態のHbまたはMbを注入し両者を区別する。<結果>組織内のHbとMbを分離測定できた。 計画(2):Hb,Mb,Cyt.aa_3解析に用いる演算式の決定. 【.encircled1.】<方法>ラット灌流心に異なる濃度のHb,Mbを注入し、濃度変化と吸光度変化との関係からラットの心臓でLambert-Beer則が適用できるかを検討した。<結果>Hb,Mbの濃度変化と吸光度変化とは比例し、Lambert-Beer則が適用できる。 【.encircled2.】計画(1)で決定した4波長(700,730,750,805nm)について、以下の演算式を実験的に決定した。Aは各波長の吸光変化。[Hb]=5.121A_<700>-13.99A_<730>+8.452A_<750>、[Mb]=-2.845A_<700>+9.937A_<730>-6.444A_<750>、[Cyt.aa_3]=A_<805>-(-2.692A_<700>+3.926A_<730>-0.075A_<750>) 【.encircled3.】上記の演算式で、Hb,Mb,Cyt.aa_3が独立して測定できるかを検討した。 (i)<方法>ラット灌流心にHbを含まない灌流心を用いたラツト灌流心で、灌流液を酸素化状態(100%酸素で飽和)から脱酸素化状態(100%酸素で飽和)に変え、3者の変動を検討した。<結果>Hbは変動せず、MbとCyt.aa_3のみが還元された。(ii)<方法>ラツト灌流心にHbを含まない灌流液を用いたラット灌流心で、灌流液に赤血球を加えたときの変動を検討した。<結果>Hbのみが変動した。以上より、決定した演算式で心筋のHb,Mb,Cyt.aa_3は独立して測定できる。
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