研究概要 |
特定の光によってのみ反応する光励起半導体の物理化学的特性はうまく利用すると医学,特に癌治療へ用できると考え,種々の半導体微粒子の特性とその細胞への効果を検討してきた.この研究では,さらに一歩すすめこの半導体として代表的なTiO_2微粒子と光照射を用いたボウコウ癌の新しい治療法を開発,実用化することを目的とし,人体応用にあうTiO_2光半導体微粒子と光照射装置の試作と安全性の検討を行なった. 本研究の成果として 1)光半導体(TiO_2)の微粒子化とコロイド化の条件と,そのIn Vitroでの癌細胞や正常細胞への検討はほぼ終了した. その結果,正常細胞に比して,癌細胞は,TiO_2微粒子をよく取り込むこと,それに比例して光照射の殺細胞効果の増強が得られた. 2)ヒトボウコウ癌細胞T-24細胞をヌードマウスに移植し,腫ようを形成させ,TiO_2と光照射の効果を検討し,HeLa細胞での効果と同等の抗腫よう効果が得られた. 3)光照射装置と光導子ケーブルの試作は,旭工学KKの協力を得て進んだ.
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