研究課題/領域番号 |
05557072
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研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
小辻 文和 福井医科大学, 医学部, 助教授 (50153573)
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研究分担者 |
細川 久美子 福井医科大学, 医学部, 助手 (60199495)
前田 淳一 福井県畜産試験場, 主任研究員
久保 真 福井医科大学, 医学部, 助手 (90234484)
富永 敏朗 福井医科大学, 医学部, 教授 (10026908)
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キーワード | 顆粒膜細胞 / 莢膜細胞 / 共培養 / 卵成熟抑制能 / FSH / LH / 受容体 |
研究概要 |
今年度の目標は、顆粒膜一莢膜細胞培養系の培養環境を変化させた時の、顆粒膜細胞の卵成熟抑制能と形態の変化を観察すること、また、この結果に基ずき、卵の培養条件を模索することであった。 現時点までに、以下の結果を得た。 I.まず、顆粒膜細胞をゴナドトロピンで処理したときに卵成熟抑制能がどのように変化するかを検討した。この結果、(1)莢膜細胞と共培養された顆粒膜細胞をFSHで処理すると、卵成熟抑制能は著しく亢進し、(2)LHで処理すると、この機能は減弱することが判明した。 II.次に、FSHによる顆粒膜細胞の卵成熟抑制能の亢進がどのような機序でもたらされたかを知る目的で、顆粒膜細胞のゴナドトロピン受容体数と、細胞内微細構造が莢膜細胞との共培養により、どのように変化するかを観察した。 (1)コラーゲン膜上に培養された細胞のFSH、LH受容体の検出法を確立した。また、莢膜細胞との共培養により顆粒膜細胞のFSH受容体数が増加することを明らかにした。 (2)顆粒膜・莢膜細胞を持つコラーゲン膜の超薄切片作成に成功した。共培養された細胞では単独に培養された細胞に比べ、細胞間のコミュニケーションが活発となり、蛋白合成が亢進していることが判明した。 以上の成績より、莢膜細胞と共培養されることにより、顆粒膜細胞のFSH受容体数が増加する結果、FSH刺激による卵成熟抑制能の亢進がもたらされるものと考察された。現在、共培養された顆粒膜細胞をステロイドホルモンで処理したときに、卵成熟抑制能と細胞形態がどのように変化するかが検討されている。
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