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1994 年度 実績報告書

人工卵胞壁の実用化に関する研究:未熟卵培養システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 05557072
研究機関福井医科大学

研究代表者

小辻 文和  福井医科大学, 医学部, 教授 (50153573)

研究分担者 前田 淳一  福井県畜産試験場, 研究員
細川 久美子  福井医科大学, 医学部, 助手 (60199495)
富永 敏朗  福井医科大学, 医学部, 教授 (10026908)
キーワード卵胞発育 / 細胞間相互作用 / 顆粒膜細胞 / 莢膜細胞 / 卵成熟抑制 / Follicle Stimulating Hormone / Estradiol / Androstenedione
研究概要

今年度は以下の二つのテーマで研究を行った。
1.卵胞液内緒物質の持つ生物学的意義:卵成熟抑制機構における役割
卵胞液内の濃度のFSH様物質とステロイドホルモンが人工卵胞壁の“卵成熟抑止作用"にどのような影響を及ぼすかを検討し、以下の結果を得た。(1)FSHは人工卵胞壁の卵成熟抑止作用を亢進させる。(2)低濃度(発育卵胞内濃度)のアンドロゲンは人工卵胞壁の卵成熟抑止作用を亢進させるが、高濃度(閉鎖卵胞濃度)のアンドロゲンはこれを消失させる。(3)高濃度のエストロゲンは人工卵胞壁の卵成熟抑止作用を低下させる。
即ち、卵胞液内に含まれる諸物質は卵胞壁の卵成熟抑止作用を調節すること、さらには人工卵胞壁を発育卵胞液内濃度のFSHやアンドロゲンで刺激することが、未熟卵培養システムとしての実用化につながることが明らかとなった。
2.莢膜細胞による顆粒膜細胞の機能分化調節の研究
顆粒膜細胞は卵胞発育の過程で著しい機能分化を呈する。そこで卵胞発育の進行にともない、顆粒膜細胞のホルモン産生能に及ぼす莢膜細胞の影響がどのように変化するかを検討し、(1)未熟な卵胞より得た顆粒膜細胞のEstradiol、Progesterone、Inhibin産生能は、莢膜細胞の存在下では減少すること、(2)逆に成熟卵胞より得た顆粒膜細胞のホルモン産生能は莢膜細胞の存在下で亢進するという結果を得た。
この成績は、莢膜細胞からのシグナルが顆粒膜細胞の機能分化を調節する重要な因子であり、卵胞発育の初期には顆粒膜細胞の分化を抑制し、発育が進むにつれ分化を促進する方向に働くと考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 小辻文和,他: "顆粒膜細胞のホルモン産生能に及ぼす莢膜細胞の影響:卵胞発育にともなう変化" 産婦人科治療. 70巻. 101 (1994)

  • [文献書誌] Kotsuji F: "Ultrastructural Changes in Follicular Cells by Granulosa and Theca cell Interactions." Medical Electron Microscopy. 27(in Press). (1994)

  • [文献書誌] Kotsuji F.et al.: "Recent Advancesin Ovarian Function:Basic and Clinical Researches.Serono Symposia;The role of granulosa and theca cell interactions in oocytes maturation." Raven Press(in Press), (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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