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1994 年度 実績報告書

アンチセンスオリゴDNAを用いた子宮頚癌・体癌の遺伝子治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 05557073
研究機関九州大学

研究代表者

分氣 徳夫  九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50158606)

研究分担者 村上 章  京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (60210001)
加藤 聖子  九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (10253527)
今村 利朗  九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (10221095)
キーワードアンチセンスオリゴDNA / ホスホロチオエ-ト型 / ソラーレン結合型 / 子宮頚癌 / 細胞増殖抑制 / HPV16・18型E6 / E7
研究概要

HPV16型或いは18型E6/E7遺伝子領域を保存する様々な子宮頚癌細胞でアンチセンス(AS)オリゴDNAによる細胞増殖抑制効果を調べた。HPV16型陽性SiHa細胞、PHK16細胞(HPV16型フルゲノム導入により永代増殖能を獲得したケトケラチノサイト)、HPV18型陽性C4II細胞及びHPV陰性C33a細胞を用いた。AS無添加或いはナンセンスコントロールでは顕著な細胞数の増加が示されたのに対しAS添加PHK16及びC4II細胞では、経時的な細胞数を増加及び^3H・チミジン取り込みの有意な抑制が観察された。ASの標的遺伝子発現(E7)を免疫沈降法で解析した結果、無処理コントロールに比し、20・24時間後のE7蛋白合成を有意に抑制されていた。このためASは標的遺伝子発現の抑制を介して細胞増殖の抑制を起していることが示唆された。同時に著しい細胞形態変化も観察された。一方ASはHPV陰性C33a細胞の増殖には何ら抑制的に作用しなかったため、これらの変化はASの塩基配列に依存した特異的効果と解釈された。しかし、HPV16型陽性SiHa細胞の増殖は、ASにより何ら影響を受けなかった。以上からASによる抑制効果は、子宮頚癌細胞のタイプにより変動し、一定ではないことが示唆された。ASの細胞内動態或いは標的遺伝子との結合性が、AS効果の非普通性の原因と推測された。このためソラーレン結合型AS(PS-AS)を作成し高機能化を企てた。ソラーレンは特定波長の紫外線の下で、DNA・RNAに強固な架橋を形成する。PS‐ASは低濃度から抑制効果を示し、ホスホロチオエ-ト型に比し、80倍以上の高機能が付与された。PS‐ASはSiHa細胞の増殖を完全に抑制した。細胞形態も顕著に変化した。一方、正常ヒトケラチノサイトの増殖はPS・ASにより全く影響をうけず、無処理群と同様の細胞増殖が示された。以上の結果は、PS‐ASを用いた子宮頚癌治療への道を拓くものと思われた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] N.Wake: "Accumulation of Genetic Events in Endometrial Carcinama andits Cell Growth Inhibition by Antisense Oligonucleotide Complementary to the Mutated K-ras Gene." Cancer Molecular Biology. 1. 145-156 (1994)

  • [文献書誌] T.Arima: "Genetic origin of malignant trophoblastic neoplasms." Cancer Genet cytogenet. 73. 5-12 (1994)

  • [文献書誌] S.Miyamoto: "Increased Actin Cable Organization After Single Chromosome Introduction. Association with Supprssion of In Vitro Cell Growth Rather Than Tumorigenic Suppression." Molecular Carcinogenesis,. 10. 88-96 (1994)

  • [文献書誌] T.Gima: "DCC Gene Alteration in Human Endometrial Carcinomas." Int.J.Cancer,. 57. 480-485 (1994)

  • [文献書誌] M.Sasaki: "Evidence for multiple pathways to cellular senescence." Cancer Research. 54. 6090-6093 (1994)

  • [文献書誌] K.Miwa: "The role of p53 inactivation in human cervical cell carcinoma development." British J.Cancer,in press.

  • [文献書誌] H.Yamada: "Suppression of Endometrial carcinona cell tumorigenicity by Human chromosome 18" Genes,chromosomes and Cancer,in press.

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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